いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

文字サイズ
文字を通常サイズにする文字を大きいサイズにする

米国黒人の境遇は人ごとか

 アメリカ南部のハリケーン災害で被害を受けたほとんどは黒人であった。アメリカの黒人は、ライスとかパウエルとかの出世した黒人もいるが、ほとんどは最貧層である。避難勧告は出されても、逃げる金も車もなく、いわんや高齢者や障害者などは逃げるすべもなかったと報じられている。大型ハリケーンが襲来すれば、10万人は避難できないことが予測されていたが、ブッシュ政府は護岸工事予算を大幅に削減していたというのだから、これは殺人である。アメリカは市場原理主義の先端を行くというわけで、災害で死ぬのは自己責任というのであろう。それは最貧国レベルであり、人民を養うことができず、統治能力がないということである。
 災害が起きることがわかっているところに放置されたアメリカの黒人の境遇は、数世紀にわたってアフリカから大量に拉致されてきた奴隷の子孫であり、人間ではなくて家畜のあつかいを受けてきた。
 アメリカの黒人の境遇は、日本人民にとって人ごととはいえない。「自己責任で死にたい人はどうぞご自由に」というあつかいは、日本でも大流行である。それが最新の市場原理主義の経済社会運営といって、小泉などはアメリカのような社会に日本を改造しようというわけだから当然である。小泉がいう構造改革は、アメリカのIT長者や株長者を夢見る調子だが、そのことは黒人のような最貧層をつくるということである。ホリエモンのような「稼ぐが第一」の人間をつくる一方で、食えない人間を大量につくり毎年3万人をこえる人人が自殺する社会をつくっている。
 アメリカ支配層は黒人より黄色人種の日本人を尊重しているわけではない。原爆や沖縄戦、東京をはじめとする都市空襲など、人間とはみなさないどころか家畜ともみなさないむごたらしい殺し方をした。最近では、日本の金融機関の不良債権を解決させてもっと程度の悪い不良債権であるアメリカ国債を買いこませたり、毒とわかっているBSE牛肉を食わせようとしたり、アメリカのための戦争に日本の若者を肉弾にさせたり、日本本土を核戦争のたてにしたり、日本人はアメリカ黒人よりあつかいが上とはけっしていえない。
 衆議院選挙は投票になるが、各政党が、だれが改革を立派にやるかを一生懸命に競っている。これはだれがアメリカに一番認められるか、すなわちだれが日本国民を一番奴隷あつかいするかを争っているわけである。日本の選挙にも大型台風を吹かせたいものだ。
                                            那須三八郎

関連する記事

  • 昔は公僕といっていた昔は公僕といっていた  下関市庁舎では朝八時半から1階から最上階までのすべての課で、一斉に「幸せです」とか「運がいいです」とかの大合唱が始まっている。中尾新市長の大 […]
  • 下関市議会が全国モデル?  下関市議会の関谷博議長がなんのはずみでか全国市議会議長会の会長になることが決まったと報道されている。下関市議会が全国の市議会のモデルとなるわ […]
  • 中尾市長の複式簿記観念  下関市中尾市長が「市職員以外見せてはならない」、本紙に漏れたら犯人探しという秘密の「市長通信」で、またまた本紙の記事をめぐってエキサイトして […]
  • 色あせた議会制民主主義  野田政府が内閣改造をした。岡田克也を副総理にして消費税増税をなにがなんでもやる態勢だという。衆議院選挙の公約をみな破棄して、TPPにせよ、普 […]
  • 工場閉鎖は仕方ない事か  下関の彦島西山地区は三井東圧、三井化学、彦島(三井)製錬など、三井資本の80年にわたる牙城であるが、三井金属の子会社MCSが工場閉鎖を発表し […]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。なお、コメントは承認制です。