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明治維新を嫌うアメリカ 

劇団はぐるま座の『動けば雷電の如く』の長崎公演は目からウロコが落ちるような体験となっている。明治維新において、長崎の町衆300人余りが長州奇兵隊をモデルにした振遠隊なる部隊を編成し、秋田県における倒幕戦争で苦戦していた長州軍の援軍に新鋭の連発銃を持って駆けつけ、盛岡城の開城に貢献していた。この振遠隊は招魂社がつくられていたが、戦後の昭和37年につぶされて忠魂碑だけになっていたが、それもキリスト教側から訴訟されて以後抹殺され、長崎の人人のほとんどが知らない状態となっていた。アメリカ占領軍の意図が働いているのだ。
 戦後のアメリカとそれに隷属する反動勢力は、明治維新が嫌いである。アメリカ側では原爆投下について、「ペリー提督の恩を忘れたからだ」といった奴がいたという。第2次大戦の降伏文書の交換も、黒船がやってきた下田沖であり、戦艦ミズーリー号は艦砲を陸地に向け、ペリー艦隊がつけていた旗を立てていた。このことをみても、ペリーの対日支配の目的を覆した明治維新をアメリカがいかに嫌っていたか、そして今度こそペリー以来の目的を貫いて植民地支配するという執念深さを物語っている。
 戦後、日本の学者、メディアや行政なども、「近代化はペリーのおかげ」などといい、武力による倒幕すなわち維新革命によって近代統一国家を作ったことを否定するのに熱心である。日本人は元元、砲艦外交で脅しつけたペリーの黒船こそ忌まわしいものであり、それに屈従した幕府・井伊直弼がやった安政の大獄などは恨みの的であった。戦後はそのひっくり返しが横行している。それはアメリカの意図であり、日本を売り飛ばす売国反動派のしわざである。
 吉田茂や岸信介から小泉純一郎や安倍晋三、麻生太郎に至る歴代首相は、明治維新を成し遂げた原動力となった百姓、商人を裏切って自分の権力を得た流れの末裔にあたる。敗戦後は、明治維新の継承者の格好も捨てて、アメリカに震え上がって屈従していった井伊直弼の側に立っているのである。何かといえば横文字を使い、ハイカラをぶっているが、その内実は旧時代の遺物・外国傀儡の封建大名と違いがない。
                                         那須三八郎

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