いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

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「イカサマ野党」の烙印

 「今日は、こども食堂で一緒にカレーを食べました。夏休みで給食が休みになった子どもたちにとっては、子ども食堂は、なくてはならない存在。関係者の努力と協力に本当に頭が下がります。子どもの貧困対策は官民あげて取り組まなくてはなりません」

 

 国民民主党の玉木雄一郎がツイッターにアップしたつぶやきを見て、少少ひっかかる点があった。困っている現場に足を運び、実情を知ることは大切だ。しかし、カレーを食って自己プロモーションの画像をアップするよりも前に、国会議員が発すべきは「子ども食堂は、なくてはならない存在」ではなく、「子ども食堂など必要がない社会にしたい」「子どもたちが家庭で安心してご飯を食べられる社会を目指す」という言葉ではないだろうか。貧困を是認したうえで、「なくてはならない存在」にされては困るのだ。

 

 子どもの貧困対策すなわち親の貧困対策は、放っておいたら残酷な搾取ばかりする企業がのさばっているなかで、それを規制する政治や行政の側が責任を持って取り組まなければならない問題だ。貧困は政治・経済構造全体が生み出した結果である。見るに見かねて全国津々浦々に子ども食堂が爆発的に広がり、ここまでの存在感を持つようになったが、それほど貧困の問題は普遍的であることを示している。見て見ぬふりや置き去りにすることなく、人々は助け合っている。

 

 一方の「官」はというと、安倍晋三が「おじちゃんやおばちゃん」が助けてくれるから「夢をあきらめないでね」の丸投げポエムを出しただけである。外遊で60兆円も海外にばらまく者が、「美しい国」に暮らしている腹ぺこの子どもたちには思いが至らず、貧困の克服は自助努力と社会の善意に委ねられているのである。1兆円でも回せば相当数の子どもたちの胃袋は満たされ、腹ぺこは解消するはずなのに――。

 

 今や6人に1人の子どもが貧困に直面している。夫婦共働きが当たり前となり、ここ下関の街を見ても、例えば児童クラブの入所率は高まるばかりである。専業主婦がまだいた一世代前なら、学校から帰っても家に誰もおらず、親が仕事を終えて帰ってくるのを待っている鍵っ子は少数派に属していた。しかし時代が逆転してその比率が余りにも大きくなり、親や子どもたちが安心して過ごせる居場所を提供するために児童クラブはできた。専属の教員が配置されたもとで、夕方6時30分まで学校の一角で異年齢集団が勉強したり、遊んだり、本を読んだりして親の迎えを待っている。宿題も見てもらえる。ひらがなの練習も先生たちが丁寧につきあってくれる。おやつも出る。親としては感謝である。

 

 ただ、給食費や後納金とは別に毎月4000~5000円(土曜日も含めると5000円になり、夏休みはプラス2600円+おやつ代)近い出費になるため、児童クラブにも入れず、鍵っ子状態の子どもたちも少なくないのが現実だ。夏休みになると、クーラー代がバカにならないと心配する親に遠慮してか、涼を求めて公民館や公共施設の片隅で一日中過ごしている子どもたちがいる。公園ではカップラーメンやおにぎりの入ったコンビニ袋を下げてお兄ちゃんが妹を見ていたりする。40日間の過ごし方は親も子もたいへんである。

 

 さて、話はぐるりと変わって、そんな玉木雄一郎が選挙後、「憲法改正に向けた国会での議論に応じるとともに、安倍晋三首相に党首会談を申し入れる」「私は生まれ変わった。われわれとしても憲法改正議論を進めていくし、首相にもぶつける」と発信して物議を醸している。発議を阻止するのではなく、数の力で押し切られることをわかっていて国会での議論に応じ、「たたかったが強行採決で押し切られた(悔しそうなポーズはやってみる)」の出来レースに道を開く気配である。もともとが大裏切りをやった旧民主党の残党集団であり、これらの国民民主(分裂含み)も含めて改憲勢力3分の2というなら、とんだ茶番である。

 

 参議院選で改憲勢力3分の2はならなかった。そこで荒技として繰り出そうとしているのが国民民主の糾合であり、選挙で示した有権者の意志がどうあろうと、国会内の合従連衡(がっしょうれんこう)で強行しようとする動きがあらわれている。国民民主党にとっても大博打であり、イカサマ野党の烙印を押される覚悟が問われている。

 吉田充春

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