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「消費税廃止待ったなし!」 れいわ新選組が全国各地で減税デモを展開 物価高どこ吹く風の自民党

共感を呼んでいるれいわ新選組の増税反対デモ(19日、東京・銀座)

 れいわ新選組(山本太郎代表)は、10月以降も全国で連日のように増税反対デモや対話集会を積み重ねている。福岡、長崎、千葉、東京、沖縄、大阪、京都、大分、鹿児島、神奈川、岩手、青森、栃木、宮城…各地のデモや屋内外の対話集会では、消費税廃止の訴えに対して強い共感や激励の声がこれまで以上の切実感をともなって寄せられている。空前の物価高が家計や事業経営を襲うなかで、遅々として動かない政治に対する憤りや日本社会の将来を憂う世論が高まっており、国を疲弊・衰退に導いてきた既存政治を覆す変革要求が強まっている。山本太郎代表の記者会見(10月23日)や各地の人々の対話から主なものを紹介する。

 

緊張感なき国会、強い経済政策もち闘う野党を―記者会見より

 

 質問(記者) 今臨時国会での岸田首相の所信表明についてどう思うか。

 

山本太郎・参議院議員

 山本 一言でいうなら厚顔無恥。ポエムの連続、中身なしの所信だった。彼が一番力強く訴えたかったのは経済の再生だということだったと思うが、演説では「経済、経済、経済。私は何よりも経済に重点を置いていきます」とくり返した。今更よくいうな、という話だ。国内はもう悲鳴を上げている。もう無理だ、もたない、年が越せないという状態だ。だから私は、首相が「経済、経済、経済」といったとき「この経済オンチ!」といった。経済オンチに「経済、経済」といわれても、逆のことしかしないのだから。

 

 その後に続く政策の中身も非常にずれている。たとえば、経済活動を底上げしていくために三位一体の改革をやるという。そこでは労働市場の改革、企業の新陳代謝の促進、物流改革をやっていくという。

 

 だが、労働市場改革はいわゆる雇用の流動化。不安定な仕事をより広げていくということだ。企業の新陳代謝の促進というのは、中小企業潰しだ。経済的に不安定な状況のとき、不況のときには、企業を守らなければならないはずだ。事業者、雇用を守らなければならない。そういうものをバラしていくというのは、“失われた30年”を作ってきた自民党のやり方を一切変える気がなく、より拡大していくということだ。騙されてはいけない。

 

 よくこんなことを恥ずかしげもなく大声でいえると思うが、これに対して自民党議員席はやんやの大喝采だ。「劇団自民党と岸田さん」が一席もうけたような宴を私たちはずっと見せられる。一体何を見せられているのか? という話だ。これによって日本経済が再生したり、人々の暮らしが楽になるということはあり得ない。一握りの金持ち以外は楽にならない。

 

大石晃子・衆議院議員

 質問(記者) れいわ新選組が今国会で訴えていきたい内容は?

 

 山本 いますぐやるべきは、少なくとも消費税減税。絶対的に必要なのは消費税廃止だ。すべての人々が恩恵を被るようにしなければならないし、消費税廃止(減税)なら時間も短く、施行さえすればすぐにみんなの生活を底上げできる。

 

 今所得税減税が云々…といっているが、それはいつごろ人々に恩恵が及ぶのか? と考えたら半年以上先の話だ。それまで人々は持つのか? 無理だ。話にならない。一刻も早く負担を減らし、みんなの手に使えるお金を配らなければいけない。

 

 消費税廃止とともに、悪い物価高が収まるまでの間は給付金も必要だし、社会保険料の減免も進めなければいけない。ふわっとしたポエムだらけの所信表明で、この国が救えるわけがない。この国を食い潰すために時間を稼ぎ続けている輩がこの国のトップを張り続けていることは悲劇というほかない。

 

櫛渕万里・衆議院議員

 質問(記者) 先日の衆参補選(衆院長崎、参院徳島高知)で野党と与党が一勝一敗となったが、選挙において野党が固まることについての考えは?

 

 山本 野党が力を合わせることによって、(与党を)倒せる可能性は上がるかもしれないが、現在の野党の国会運営の中におけるさまざまな活動を見る限り、与野党が完全に対峙する状況になっていない。ヌルッと与党側に寄るような判断さえおこなわれる。そういう中途半端なことをやっている限り、力を合わせて闘ったとして、部分的には勝つところはあっても大きくは負けると思う。それでは与野党の逆転は難しい。

 

 野党が力を合わせるのなら、二つの点を埋め合わせる必要がある。

 

 一つは、国会での闘い方だ。徹底的に喧嘩する必要がある。自民党が野党時代に非常にヤクザな国会運営(審議拒否等)をしていたことを考えれば、権力を奪取するためにはどれくらいの覚悟と気概が必要なのかということがわかる。残念ながら今の野党には、そのような気概は感じられない。私には貴族に見える。

 

 もう一つは、経済政策だ。30年近くの不況に、コロナと物価高が襲った。徹底的に「失われた30年」をとり返すための経済政策が必要だ。野党の中には、現金給付を緊急政策としてやるという政党もあるが、“1世帯”当り3万円みたいな話だ。少なくとも1人3万円ではないのか? 随分と認識がずれている。

 

 今の状況をまず底上げしていかないと、財政健全化など無理に決まっている。財政健全化のために蛇口をしぼっても、税収は増えない。税収を増やす、つまり景気を良くするための原資を政府側からの減税や給付という形で回していかずして、どうやって30年続く不況と物価高を乗りこえるのか。その経済政策の考え方にはかなりの乖離がある。

 

 与野党ともに彼らが訴える経済政策では、日本の経済的再生は実現せず、ただ衰退、転落、貧困化していくだけであることは歴史が証明している。だからこそ野党には、強い経済政策の旗を振って政権交代に導いていく責務がある。

 

東京・銀座の街を進む、れいわ新選組のデモ(19日)

深刻な若者や子育て世代の生活苦――対話集会より

 

 質問(岩手) 「増税メガネ」が海外にカネをバラ撒いている理由は何か?

 

 山本 「増税メガネ」というと、“そのいい方はなにか。メガネかけている人の立場がないじゃないか”という声もあるので、“あの増税メガネ”とメガネをかけた人(質問者)がいわれることに安心する。心強い。

 

 増税メガネがどうして海外に対して気前よく振る舞うのかというと、海外で豪勢な旅行をしたり、最上級の扱いを受けようと思ったら、やっぱりカネを見せるしかない。外交ではなく、「持参金付き」の海外旅行だ。思い出作りのために…というのもおかしな話だが、自分がずっと総理大臣でいられるわけでもないので、この一瞬一瞬を楽しむ。“今を生きる”ということを最大限やってらっしゃるんじゃないかと思う。

 

 海外を回るくらいなら国内を回れよ、という話だ。最近もスーパーに視察に行って“肉と野菜、確かに値上がりしている…”みたいな話をしていたが、今さらなにを寝ぼけたことをいっているのか、何周遅れなんだよと思わざるを得ない。そんなパフォーマンスをしろと周囲もよく進言したものだと思うが、逆にみんなを怒らせている。「今の今まで知らなかったのか?」という話になる。

 

 まずはメガネの度を直すことから始めた方がいい。ピントがずれているということだ。

 


 質問(鹿児島) 妻と幼い子ども4人で生活している。正直生活は苦しい。毎日子供たちにお腹いっぱい食べてもらうだけで精一杯で、貯金などとてもできない。新しい炊飯機がほしくても買えない。会社に内緒でアルバイトでもしないと子どもに残せるお金もつくれない。老後の蓄えどころではない。岸田さんはこんな庶民の声は聞いてくれないのか。さらなる増税など酷すぎる。

 

 山本 仕事を増やさなければ食べていけないが、それでは自分の体力やメンタルも削られていく。それが幸せに繋がっていくのかといえば難しい。本当に悩ましい切実な問題がこの国全体を覆っている。

 

 「異次元の少子化対策」といわれるほど、子どもがいる家庭も含めて負担を減らしていくことは、国として絶対にやらなければならない重要課題だ。たとえば、教育費を無償にすれば、その分家族の生活のためにお金が使える。今大学院卒業するまで教育費無償にしようと思えば、あと5兆円でできる。5兆円は国家予算のわずか20分の1だ。これは投資すべき案件だと思うし、これほど価値のあるお金の使い方はないはずだ。

 

 しかも、政治の場で「少子化が問題だ」と騒ぎ、「何とかする」といいながら何ともしないという詐欺的なことを働いているわけだから、ここには確実にお金を投下しなければいけない。私が総理大臣なら明日からでもやりたいが、今は8人のグループの代表ということで、この実現は時間がかかることではある。現在、教育費無償化まで踏み込んでいる政党は少ないが、教育の負担を軽減していくことや、給食費無償化を唱えている政党は他にもあるので、そこでは力を合わせながら実現に近づけていくしかないと思っている。

 

 質問(海老名) 奨学金の連帯保証人になっていて地獄のような状態だ。どうにかならないか?

 

 山本 「自分で作った借金なんだから、自分で返すのは当たり前だろ」といわれる方もいるが、私は若い人が教育を受けることは社会全体にとって価値のあることであり、本人が望めば大学院卒業まで無償で進める国であってほしいと思う。そのためにはあと5兆円あればできる。

 

 そして、奨学金債務を抱えている人は全国に589万人いる。この負債をチャラにしたい。9兆円あれば1回で済む。これを国債発行で賄ったとしてもインフレにはならない。9兆円の現金を配るわけではないからだ。

 

 この奨学金チャラについて、いろんな意見があることは承知している。だが、この国の少子化問題について何らかの施策が必要と思っている人は大多数だと思う。だからこそ「異次元の少子化対策」みたいな話になっている。国会質疑や専門家の意見では、少子化を打開するためには8~9兆円の投資が必要といわれている一方で、国が発表したのは3兆円程度だ。つまり本気でやる気はない。

 

 しかも、政府が出そうとしている少子化対策のプランは、すでにお子さんがいる家庭に「もう一人どうですか?」というものだ。これではダメだ。この国は、社会に出るところからつまづいた人たちが大勢いる国だ。消費税増税(1997年)の翌年から日本経済は下がり続け、本格的不況に突入した。その年以降に社会に出た人たちは、大学や大学院を出て新卒であっても雇ってもらえなかった人が多い。「新卒大好物」のこの国で、就職できずにアルバイト、派遣、非正規から社会人をスタートするというのは、ある意味で絶望的だ。そこから一生這い上がれない。そこで「ロストジェネレーション」(ロスジェネ)という世代が生み出された。30歳代後半から50歳代前半の方々だ。

 

 今もギリギリのなかで泥水すすっているような人たちが山ほどいる。生活は厳しく、一人生きるだけで精一杯だ。少子化が本当に心配であるなら、この人たちが若い頃に国が大きく支援しなければならなかった。人口ピラミッドを見れば、人口のボリュームゾーンであったことは一目瞭然だ。少子化を防ぐためには、彼らを支援して家族を作れる状態にしなければいけなかったのに、無策であるばかりでなく、逆に蛇口をしぼった。

 

 2020年の「貯蓄ゼロ」世帯(日銀調べ)は、20歳代で43・2%、30歳代で31・1%、40歳代で35・5%、50歳代で41%、60歳代で29・4%だ。このまま高齢化していけばどうなるか。一発逆転もなく、資産なしのままで推移していくのは目に見えている。つまり日本の未来は、このままいけば道端で人が死んでいるというような一昔前のインドみたいな国になりかねない。

 

 国が手当てするはずもない。数年前、金融庁は「お前ら、老後迎えるまでに1人2000万円用意しとけよ」といった。物議を醸して後にとり下げたが、考え方は変わっていない。このあと国はとんでもないところに突入していく。

 

 必要なことは、一人でも生きていくのが精一杯という今、この国に生きている多くの人に対して底上げする策を今から打っていかなければダメだ。少子化対策と称して。今からでも間に合うという状況を作らなければ手遅れになる。

 

 奨学金は誰のためにあるものか。小泉政府時代から奨学金債務の金融商品化が始まり、学生の2人に1人が奨学金を借り、そのうち7割が利息を払わなければいけなくなった。利息によって年間3000億~4000億円が金融資本の懐に入る仕組みになっている。社会に出る前の学ぶ期間の若い人たちから、そこまで搾取する奴らが野放しにされ、それがスタンダードである社会は滅びるしかない。若い人間を食いものにするような大人が跋扈(ばっこ)しているような国会など、国を滅ぼすものでしかない。だから変えなければダメなのだ。

 

 だから、自分の家庭やその稼ぎで大学に行った人からは評判が悪いが、奨学金債務を抱える589万人を9兆円のワンショットで自由にでき、その債務がなくなるだけで、パートナーと一緒になろうという可能性につながるかもしれない。こういう閉ざされたものを一つずつ剥がしていくことをやっていきたい。

 

 もちろん奨学金は借りずとも苦労して学校を出た方に、何かしらのインセンティブになるものがないか、ということも当事者と話し合いながら考えていきたい。一番は社会の立て直しだ。

 

大阪市淀川区十三での増税反対デモ(6日)

食い潰されてきた30年 国力奪った消費税

 

 質問(渋谷) 先日、経団連が消費税増税を提言していたが、経団連は何のために存在しているのか?

 

 山本 彼らにとってはもちろん存在意義がある。自分たちの利益を最大化するために、一つの企業がいうよりもいくつも企業が連なって同じ方向性を求めて行くことで、お金と組織票で政治家を買い、政策を買っていく。それによって大きく利益を上げたのが彼らだ。資本家たちだけがこの30年で勝ち続け、一方で30年奪われ続けたのはこの国に生きる多くの人々だ。経営者である以上、自分たちの利益を追求するのは当然と言えば当然だ。一番問題があるのは、彼らの品のない要求を実際に政治で実現させていく政治家だ。いわば一緒になってこの国を潰してきた。統一教会を解散させるのなら、経団連と自民党も一緒に解散させなければいけないと私は思う。

 

 政治の側は、経済団体に忖度する。資金と組織票を出してくれ、政策を買ってくれる彼らには頭が上がらない。

 

 たとえば消費税に関していえば、2021年9月の自民党総裁選のとき、増税メガネは「消費税を10年程度は上げることは考えない」といっていた。それが1年後、「当面上げることは考えていない」に変わった。

 

 その後、経団連が増税の必要性を説きはじめた。こう飼い主からいわれたら従うしかない。確実に消費税は上げられる。だから止めなければいけない。

 

 現政府は、資本家に対して損になることは絶対にやらない。総裁選時には、「金融所得課税」も宣言していた。現在、株式や為替取引で得た所得は分離課税なので税率が低く、それによって格差が拡大しているからだ。だが、たった1カ月で「当面は金融所得課税は強化しない」とトーンダウンした。もう誰の代理人なのか、誰の声を「聞く力」なのかは明らかだ。

 

 質問(海老名) 輸出大企業の消費税還付金や、消費税よりも重たい社会保険料についてどう考えるか?

 

 山本 消費税のみならず社会保険料はどんどん上がり、すでにみなさんの収入の50%が国にとられている。それに見合ったサービスが受けられているのかといえば、そうではなく、逆にどんどん削られている。

 

 今のように30年の不景気が続き、コロナや物価高の打撃が来ているときには、減税したうえで社会保険料の減免もしなければいけない。要するにみなさんが使えるお金を増やしていかなければいけない。だが、社会にお金はあるはずなのに回らず、特定の仲間内だけで回っているのが現在の状態だ。

 

 消費税制も資本家優位に作られている。最終消費地が国内であれば消費税をとれるが、海外で売る場合は消費税をとれないから、そのような輸出企業に対しては国内で売れた場合に換算して消費税分を還付する仕組みがある。でも実は、下請けなどが大企業が払う消費税分を背負っていたりする。そのように下請けを泣かせたうえで、大企業は還付金を多く受けとっているじゃないかという指摘だ。要するに消費税をやめれば、そんな還付金もなくなる。

 

 そもそも消費税が上がるタイミングを前後して、下げられてきたのが法人税だ。初めからそういう約束になっている。だから経団連が週1回のペースで消費税を上げろと提言している。

 

 消費税を導入する1989年の前の政府議論をみれば、そのものズバリが書いてある。消費税が必要な理由として「直間比率の是正」と書かれている。直接税を下げるかわりに間接税を入れろという意味だ。大企業がもうかるたびにたくさんとられるのが嫌だから、それを安くするために他からとれ、というのが消費税の元祖なのだ。そして消費税は10%まで上がり、その分大企業の納税額は減り、彼らは10年過去最高益を更新し続けている。

 

 そして今やコロナと物価高で、日本国内は6・5人に一人が貧困だ。これは先進国の中で、米国も韓国も抜いてナンバーワンの貧困国だ。人々を貧困にさせる政治がそうさせたのだ。それなのにまだ皆さんから搾りとり、俺たちからはとるなといい続けているのが経団連をはじめとする銭ゲバどもだ。こんな酷い話はない。カネが足りないなら「ないところからとるな。あるところからとれ!」が税金の基本だ。

 

 その結果、購買力が落ちて国内で物が売れなくなり、もっと安い物を作らなければ売れず、賃金も安くなるという底辺競争が30年も続いてきた。「ジャパンアズナンバーワン」といわれた地位から大きく転落し、いまや世界から相手にされない没落国家にしてしまった。G7になんとかくらいついてお仲間に入れてもらうと日々努力しているという現状があるだけだ。すでに終わった国として扱われている。

 

 「いつまでも成長するわけない」と思うかもしれないが、実際は日本以外は成長し、賃金も上がり続けている。日本だけはどんどん経済のパイが縮小している。つまり一人一人の購買力が落ちて、当然にもGDP(国内総生産)も削がれていく。

 

 消費税によって法人税を下げたうえで、一部の資本家がさらにもうけるためには、一番のコスト――あなたの人件費を削る必要がある。いかにあなたを安い労働者にしていくかということを、カネと票で政治をコントロールしながら国のルールを改変し、全労働者の四割を非正規労働者にしてしまった。派遣労働は最初は13種に限定されていたのに、小泉以降から全業種に広がった。それによって正規労働者も含めた全体の賃金が下がり、国全体が疲弊した。国が食いものにされているのだ。

 

 これを変える方法はただ一つ。政治によって壊されたものは、政治によって作り直す以外にない。全有権者のうち自民党の得票は2~3割しかない。最大多数派は、われわれ庶民だ。

 

 資本家につぶれろとは思わないが、一人一人の購買力を削ったせいで消費が低迷し、資本家の貯め込んだ内部留保の投資先もなくなってしまった。国内を食い潰して肥大化した資本家たちは、この国を捨ててでも海外でビジネスを展開していくだろう。でも、この国に生きる皆さんは、この国以外のどこへいくというのか? だとすれば、壊れたこの国を立て直すほうが話が早い。

 

 立て直すのは皆さんしかいない。その力を持っているのはあなた。あなたがこの国の希望だ。力をあわせてやってやろうじゃないかと、今までやったことがないことを。私もやったことがない。だからこそ旗揚げしたのが、れいわ新選組だ。1人で旗揚げして、今や4年間で8人の国会議員が生まれ、5年のうちに50人の地方議員が生まれた。これはまだ始まりにすぎない。この流れをさらに拡大し、与党も野党もヌルヌルのダルダルで緊張感ゼロのところに、まず緊張感を与えていきたい。そのためにも皆さんと一緒にこの政治を変えるために前に進んでいきたい。

 

街頭で質問に答える山本太郎氏

減税の財源確保は可能 累進課税と国債発行

 

 質問(海老名) 消費税廃止などをしたら、その穴埋めはどうするのか?

 

 山本 国の財源として皆さんがまず思い浮かべるのは税金だ。税で財源を考える場合の考え方は至ってシンプルだ。すごくもうかっているところからしっかりとる、ということだ。

 

 まずは大企業の法人税。この10年間過去最高益を毎年あげている大企業は、ものすごく内部留保を貯め込んでいる。消費税の増税とともに大企業の法人税は下げられてきたからだ。当然、税金をとる順序としては、持っているところからだ。これを累進課税という。もうかっているときには税率が上がり、もうかっていなければ下がる、あるいは払わなくていいというのが一番フェアな税制ではないか。

 

 また現在、株取引など金融所得の税率は低い。「1億円の壁」をこえると税率はどんどん下がり、数十億円も稼いでいる超富裕層の税率は15%程度だ。実際に労働をすることで得た所得にかかる所得税と比べるとかなりの格差だ。このような分離課税をやめて、金融所得も所得税に統一して累進制とする。

 

 そして財源には、もう一つある。国債発行だ。国債を「みんなの借金」だと思い込んでいる人がほとんどだが、それは間違っている。「国の借金は自分の借金だ」という洗脳がされているだけだ。政府と民間では、経済主体がまったく違う。国家財政と家計が同じであるわけがない。

 

 あなた個人の借金は、あなたが死ぬまでに返さなければいけないが、国の場合は、円建て国債である以上、国がお金を刷れば返済できる。民間はお金を作れないが、国家はお金を作ることができる。麻生太郎自民党副総裁は、副総理(2013年)のとき「日本は自国通貨建てで国債を発行している。返さなければいけなければ、お札=日銀券を刷って返せばいい。簡単だろ」とのべている。他の発言はおかしいが、これは正しい。

 

 また、米国の日銀にあたるFRB(連邦準備制度理事会)のグリーンスパン元議長も「米国はいつでもお金を印刷できるので、負債を支払うことができる。デフォルト(支払い不能)の確率はゼロである」とのべている。要するに円やドルなど自国通貨を発行する国は、借金(国債発行)という形をとりながら社会にお金を供給する。それが政府の債務といわれるものの正体だ。お金を作れる国が、社会に必要なお金を供給せずに税金だけとれば、世の中からお金は消えていく。

 

 社会に供給したお金が増えすぎてインフレが悪化しそうなときに、徴税という形でお金を間引き、増えすぎたお金を消していくという仕組みだ。

 

 つまり、消費税廃止の財源を埋める方法は、累進課税(大企業法人税や富裕層の金融所得課税など)と国債発行の2つがある。

 

 消費税を廃止することは、みなさん1人当り年間約26万円の現金給付をするのと同じ効果がある。そうすれば日本の景気は上向き、赤字でも消費税を払わせられている中小企業の経済活動も活発化する。そうなると今度は税収が増える。そういう形で経済を循環させていくという考え方だ。

 

 自民党は、安倍、菅、岸田といくら踊り子が変わっても、振り付けは変わらない。同じ新自由主義だ。まずは自民党を下野させることだが、捨て身で闘う気のない現在の野党が塊になったところでそれは難しい。まず野党の中でれいわ新選組の数を増やして無視できない勢力にし、強い経済政策を持つ闘う野党の塊をつくるためにリードしていける状態にしたい。ぜひ力を貸してほしい。

 

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この記事へのコメント

  1. ヘルヴェティア says:

    長周新聞御中
    報道有り難うございました。

  2. yoshito watanabe says:

    長周新聞様、素晴らしい記事をありがとうございます。

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