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れいわ新選組、東京都議選に挑戦 衆院兵庫8区の候補者も発表

 れいわ新選組(山本太郎代表)は18日に神戸市、19日には東京・参議院会館で会見を開き、次期衆院選と東京都議選(7月4日投開票)の公認候補予定者を発表した。同党からの衆院選の候補予定者は20人目となり、近畿ブロックでは5人目となる。また東京都議選への候補者擁立は、これまで直接関与してこなかった地方議会への初挑戦となる。コロナ禍による緊急事態宣言で街頭活動が制限されるなど苦戦を強いられてきたが、苦境が増す人々の切実な政治要求を結集していくとりくみを徐々に再開していく。コロナで国の統治の脆弱さが露呈するなか、有権者の頭上で私物化と予定調和で進行する膠着した政治状況に風穴を開けるべく、変革の力を下から紡いでいく決意を示した。

 

東京都議選の候補者を発表(19日)

 兵庫県では、衆院8区(尼崎市全域)と比例近畿ブロックに、弁護士で元衆議院議員の辻恵(めぐむ)氏(72歳)を擁立することを発表した。

 

 同氏とともに会見をおこなった山本太郎氏は、「兵庫県は私の故郷であり、非常に思い入れがある土地。辻氏は、駆け出しの弁護士時代にはスモン(薬害事件)にかかわったり、留置場での警察の暴力、またTPP違憲訴訟など、世の中の不条理に弁護士という立場からかかわってきた方だ。現職時代には、消費税増税をはじめ新自由主義政治と徹底的に対峙されてきた。れいわ新選組としては最年長の候補予定者となる」と紹介した。

 

 辻氏は決意表明【別掲】をおこない、兵庫8区を選んだ動機として「生まれも育ちも関西で、当時の関西にはまだ東京に対抗意識を持てるだけの力があった。2003年に衆院選に挑戦を始めたが、その頃にはすでに関西は経済的にも地盤沈下しており、これを打開したいというのが大きな動機だ。初当選は大阪3区(大阪市大正区・住之江区・住吉区・西成区)だったが、大正区は3割が沖縄の方で鹿児島の方も多い。尼崎もそのような方が多く、働く人たちの町だ。何か繋がるものを感じている」とのべた。

 

 現在兵庫8区(定数1)では、公明党が議席を持ち、次期選挙では前回と同じく野党側から「共産党」が候補者擁立を表明している。

 

 これに関して山本氏は、「これまでも野党共闘は目指していくが、それが叶わなければ独自で行くと言い続けてきた。自民党政権がここまで生きながらえてきた理由は、野党が負け続けていること。敗因は経済政策が打ち出せていないことにあると思う。政権が変われば生活が底上げされることが必要であり、その一番分かりやすいものとして、誰もが払う消費税の減税は重要な争点になる。消費への罰金である消費税によって国の経済全体が弱り続けてきた。だからこそ消費税5%減税という旗が立つか否かを野党共闘の条件としてきた。この決着は、野党第一党(立憲民主)の仕切りのなかでしか付けられない。話し合いの結果が出るまでは独自でやる準備を進めていく」と従来通りの見解を示した。さらに今後も兵庫県内の他の選挙区でも候補者擁立を模索していくとした。

 

 辻氏は「目の前の直接の生活に追われ、選挙にリアリティを感じていない人たちに声を届けたい。2009年から19年にかけて選挙に行かなくなった約2000万人が何を考えているのかを知ることが必要だ。政治の恩恵が届いていない人たちに、どれだけのことを政治の言葉として語り得るか。それは99%の国民みんなに伝わる言葉でもある。政党間の合従連衡で調整するような議会内の取引で政治が動いていくことに多くの国民は失望と絶望を持っている。自分の言葉を研ぎ澄まし、生の言葉で有権者に伝えることで大きなうねりをつくり出したい」と意気込みをのべた。

 

 国政の現状について山本氏は、「緊急事態の解除といわれても、もはや緊急事態の解除の意味すらわからない。感染者を減らすために緊急事態宣言を出してみんなの出足を止め、数が減ったら解除し、また増えたら緊急事態にする--のくり返しだ。根本的な対策は何も改善されていない。この無策、無政府といえる状態が続けば国は崩壊する。多くの人々が倒れ、多くの中小企業や生活者が大変な思いをしている」とのべた。

 

 さらに「もはや日本は初期設定からやり直すしかなく、経済がへこんだ分、各国がやっているように国債発行を大胆にして徹底的に底上げをしていかなければ国の供給力が守れない。供給力の毀損は、恐慌に繋がる。永田町の論理から出られないなら希望はないが、私たちはそれを徹底的にやっていくことを約束する。この国には希望が必要だ。いまは2議席しかないが全身全霊の本気度を見ていただきたい」と呼びかけた。

 

選挙戦通じ東京動かす 都議選に候補者擁立

 

 東京都議選では、杉並区にNPO法人理事の山名奏(かな)子氏を擁立することを発表した。杉並区(定数6)は現在、自民(2)、都民ファースト(2)、公明(1)、共産(1)が議席を保有している。れいわ新選組としては2019年の参院選で2万8364票、昨年の都知事選では山本太郎氏が3万3096票を得ており、都内でも支持層が増えている地域だ【表参照】。都内では今後も5~10人を目標に順次公認候補予定者を発表していくとしている。

 

 山本氏は、都議選に挑戦する理由について以下のようにのべた。

 

 「れいわ新選組は国会議員の政党(地方議会議員は所属しない)という考え方でやってきたが、コロナ禍がやってきて国の施策も十分でないばかりか、あまりにも足りなさすぎる。このままではコロナ不況どころかコロナ恐慌にまで至ってしまう状況下で、次の衆院選まで何もできないというわけにはいかない。

 

 国政を揺らし、しっかり積極財政させていくべきであり、28兆円の資産を持つ東京都のトップになれば、それが実現するのではないかと考え、昨年、都知事候補として立候補した。結果は落選だったが、そのようなきっかけをもった以上、準国政選挙と位置づけて東京都政にれいわ新選組としてかかわっていくべきだと考える。都議選への挑戦を通じて、その先(地方議会への関与)をどのように広げていくかを探っていく」。

 

 候補予定者の山名氏は、大学卒業後に海外に渡り、2017年に帰国。現在は杉並区に在住して女性の「生きづらさ」を解消するためのNPOを立ち上げて活動する。働いていた職場で労働組合の設立にもかかわった経歴がある。

 

 山名氏は、「20代で企業に就職して働くなかで、女性に対する待遇に違和感を感じ、米国で5年間ジェンダーについて研究した。参院選でれいわ新選組の存在を知り、個人的な問題を社会の問題としてつないでいくことや、人間の価値を生産性で図らないという考え方に共感して興味をもった。多くの人々が感じる生きづらさは、各個人の責任に帰する問題ではなく、政治が社会構造を変えることによって解決できるのだと信じている」と抱負をのべた【別掲】。

 

 山本氏は、「小泉・竹中時代からこの国の解体を進めてきた新自由主義が近年より加速している。現在の菅内閣もその方向で突っ走っている。東京都でも小池知事は政治的なアプローチはしても、根本的な問題の解決はしない。コロナ対応も“やってる感”だけでいくなら、都民はずっと傷つけられていく。夏の都議選では、ただ議席を得てから東京を動かそうというのではなく、その前の政治活動のときからみんなで一緒に東京を動かしていこうということをやっていきたい。東京の人々の声を聞き、それを政治に反映させていくために、まず議席を獲得してスタートラインに立つことを目標にしていきたい」と抱負をのべた。

 

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■ 候補者たちの決意

 

衆院 兵庫8区  つじ 恵

 

 私は2003年に初めて民主党から当選し、05年の郵政選挙で敗北し、09年の政権交代選挙で2期目の当選をした。戦後の保革の政治体制が立ち行かなくなり、90年代から「政治改革」ということで小選挙区導入などのチャレンジがなされ、バブル崩壊後の長期低迷をどう解決するのかということでいろんな政党が出てきた。09年には政権交代が実現できた。しかし、本当に世の中を変えることができたのか。

 

 高度成長の余力ではあると思うが、一億総中流といわれるような「みんな頑張ればなんとか希望をもってやっていけそうだ」という基盤自体がなくされてしまった。02年からの小泉・竹中路線に象徴される新自由主義のなかで、富めるものを富ませる、資本を尊重するという政治のなかで、人々がいろんな意味での権利を奪われ、格差と貧困が拡大していった。それに対する国民の皆さんの絶望と新しい政治を求める期待が09年の民主党政権誕生につながったといえるだろう。私も当時その一員として小選挙区(大阪3区)で当選をさせていただいた。

 

 だが、70%の投票率、7000万人が投票した選挙で生まれた民主党政権は、国民に対する公約であるマニフェストを破って消費税増税に走り、国民の皆さんの期待を裏切った。財源がないなどの理由で、子ども手当や経済政策の転換を企図したにもかかわらず実現することができなかった。

 

 今は世界的に見ても反緊縮・財政出動によって国民の暮らしを豊かにするという政策が論議されるようになっているが、当時の私にはその理論的な裏付けがなかったため個別対応に終始し、大きな流れをつくることができなかった。その結果、民主党総体として消費税の増税や、結局は官僚制を変えるといいながら官僚主導の政治を追認してしまうような政治をおこなったがゆえに、人々の不信感を買った。これは民主党だけでなく、政党政治全体への不信感であったと思う。

 

 12年に安倍政権が成立して一強多弱といわれたが、自民党の支持率は決して伸びていない。

 

 参院選も衆院選も全国的に見れば1800万票を前後するような、つまり1億人の有権者のなかで6人か7人に1人しか支持していない。自公連立でも2500万票程度だ。これが日本の政治を壟断(ろうだん)し、牛耳ってしまっている。そのなかでますます新自由主義的な政策が蔓延し、嘘をつく、情報を開示しない、そして私物化、忖度、無責任という政治が進行している。19年の参院選では投票率は50%を切り、5000万人しか投票していない。18歳以上まで有権者が増えたのにもかかわらず、09年の政権交代選挙と比べて2000万人が投票に行っていない。

 

 そして、もともと有権者の30%、3000万人の人々は選挙に行くことすら保障されていないといえるほど生活に追われ、事実上は選挙制度から排除されている人々がたくさんいる。そういう人たちがどんどん増えている。それをなんとかしなければならない。改めて政治の役割として当時なしえなかったことをしっかりとやりたいと思う。

 

 山本代表がれいわ新選組で呼び掛けた選挙の手法は、本当に国民の皆さんとも同じ目線に立って、今まで選挙の制度から排除されたり、声が届かなかったり及ばなかった人たちに呼びかけ、そこから政党政治に対する信頼をとり戻して日本の再生を図っていこうという方向性だ。これが今までの既成政党のあり方やこれまでの政権に向けたいろんな政治活動を新たに転換する新たな試みだと思う。

 

 99%の国民の立場に立った政党をつくり、今度こそ本物の政権交代を実現して、99%の国民が主人公となって、安心して暮らせる社会をつくる。

 

 消費税廃止をはじめ国民生活を豊かにする経済政策への転換と、行政権の肥大化の是正と司法積極主義の採用を軸とした統治機構の在り方への転換という二つの転換を、自己の政治使命として実行し、政党政治に対する絶望を生み出したことに対する責任を果たしたい。

 

東京都議選 杉並区 山名 かなこ

 


 新型コロナウイルスによって社会の問題は一層深刻なものとなった。たとえば、自殺率の高さ、女性の貧困、生活保護の受けづらさ、経済的な格差などの厳しい現実が突きつけられている。これらの問題について考えてみても、「政治は困っている人を助けてくれない」と感じる人が多いのではないだろうか。

 

 私はこれまでの活動で、特定のジェンダー的価値を押しつけるという精神的暴力や差別に対して、声を上げてきた。女性をエンパワーするためのNPO法人の設立や、前職で労働組合を立ち上げたことは、人々が搾取されない社会構造をつくりたいという思いからだ。これらの活動は、一貫して「私はフェミニストだ」という自認でおこなってきた。

 

 フェミニズムと聞くと、男性を敵視したり、女性の利益だけを主張する人たちをイメージする人も多いかもしれない。しかしフェミニズムは本来、すべての人が生きやすくなるための思想だ。

 

 たとえば、シングルマザーが正規雇用につきにくいこと、育休を取得したり家庭に入る男性をバカにすること、自分が同性愛者であると隠さなければ生きにくい社会。このような、一見するとごく「個人的」な問題だと思わされてきたことが、実は「政治的」な問題であり、社会構造の変革から解決するべきだという考え方--それがフェミニズムだ。多くの人々が感じる生きづらさは、各個人の責任に帰する問題ではなく、政治が社会構造を変えることによって解決できるのだと信じている。

 

 自分の価値が他人に決められるのではなく、弱い立場の人がありのままでも幸福に生きられる。そんな当たり前の世の中を東京からつくりたい。

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