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各地で起きる大規模地震や群発地震 地震・火山学者に聞く 日本列島の地下で何が起きているのか?

 熊本県をはじめとした九州地方で連続して大規模地震が発生し、群発地震の拡大や周囲の火山への影響が懸念されている。これまでの経験則にないものとされ、科学的に事態をどう捉えればよいのか専門的な知見が求められている。日本列島の地下でいったい何が起きているのか、地震の一般的なメカニズムや火山活動との関連性、地震大国として置かれている客観的状況について、火山学者や地震学者に話を聞いた。

 

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■くり返す活断層地震 注目される菊川断層


         東京大学教授  佐竹健治 

  
 どのタイプの地震にしても周期に違いがあるが、ひずみがたまって解放されるというのが基本的なメカニズムだ。くり返される周期の中で、その断層で地震が起こって以降どれだけの時間が経過しているのかが分かると、次にいつ地震が来るのかおおよそ予測ができる。


 今回地震が起きた熊本県の日奈久断層も布田川断層も、そのような調査をおこなって断層の場所は把握していた。地震規模はマグニチュード7くらいと予測していたが、実際に発生したのはマグニチュード7・3で、事前の評価を上回った。断層も阿蘇山の手前までしか分かっていなかったが、実際には阿蘇山をこえるほどの規模であることが分かった。日奈久断層については、1400年ほど前に地震が起きていたことは分かっていた。しかし、それ以前の地震がいつ起きていたのか分からなかったために周期が予測できなかった。布田川断層では5000年前に起きたのは分かっていたが、その周期は500年から2万6000年くらいの間と予測に幅があった。


 地震調査研究推進本部という機関で私は長期評価部会にかかわっている。そこで全国の活断層について、どこでどのような地震が起きるのか、個個の活断層の評価と、地域全体の評価をしている。活断層地震は数千から数万年の周期でくり返している。その地震によって引き起こされる地形の変化を調べていくことで、活断層がどこにどれだけあるのかを知ることができる。九州は調査を数年前に終えている。中国地方での調査結果も数カ月後には出る予定になっている。


 山口県の場合は結果が出るとかなり話題になると思うが、マグニチュード7の後半とか8クラスの地震断層がある。そのうちの一つが菊川断層で、新たな調査によって日本海側までかなり断層が伸びていることが分かった。


 中国地方では岡山県はそれほど地震もなく活断層も少ない。北部の鳥取県は活断層自体はあまり分かっていないが、地震は結構な頻度で起きている。山口県や広島県の場合、今はあまり地震は起きていないが、活断層は多く存在している。一度地震が起きると大規模なものになる可能性が高い。


 熊本県の地震もそうだが、地震本部が「ここで地震が起きる」と示した場所で地震が起きている。今回、中国地方でも新たな評価が出るが、どこでどれだけの規模の地震が起きるのか、ある程度は示すことができると思う。


 私はプレート海溝型の地震を専門に調査している。南海トラフが注目されているが、その他にも日本海溝や北海道の海溝型地震にも注目している。そして、今注目しているのは869年に東北地方で起きた貞観地震だ。1000年以上前にも東日本大震災の時とよく似た地震が起きていたことが分かっている。熊本でも今回と同じような地震が過去に起きている。その地で過去に起きた地震について、近代的な装置などによる記録では分からなくても、古い歴史記録や津波堆積物(津波が運んだ砂などの地質的な証拠)、海岸の地形などを調べることによって、さらに古い地震の周期を知ることができる。


 熊本県では小さな地震や噴火がこれまでにも何度も起こっていた。その際にエネルギーを放出しているから、「熊本では大きな地震はこない」というわけではない。阪神淡路大震災のときも、同じように「まさか神戸でこんな地震が起きるとは思っていなかった」といわれていたが、断層がある限り地震が起きる可能性はある。歴史に残らない数千年、数万年前に起きている地震なので一般的には実感を持てないかもしれない。しかし、兵庫県の六甲山を見ても、あの山は縦向きの断層運動によって長い年月をかけてできたものだ。地形を見れば、その地で地震をくり返していることが分かる。


 一度地震が起きた地域では、将来も同じような地震が起きると考えている。一人の人間が80年ほどの人生を通じて、数千年に一度の地震に遭遇する確率はかなり低いと考えているかもしれないが、日本にはその“数千年に一度”の危険をはらんだ地域がいくつもある。それぞれの活断層がいつ地震を起こしてもおかしくないという認識を持たなければいけない。


 火山噴火にせよ、活断層地震や海溝型の地震にせよ、それぞれのメカニズムがある。基本的には火山の場合はマグマが下から上がってきて、それがある程度蓄積されると噴火する。鹿児島の桜島のように何度も噴火しているものもあれば、北海道の有珠山や伊豆諸島の三宅島のように、噴火の周期は長いが非常に規則的な周期で噴火している火山もある。それぞれの火山が持つパターンがある。


 火山の噴火周期の終わりに近い時期に地震が起きれば、刺激されて噴火する可能性はあるかもしれない。だが、噴火してそれほど時間が経っていない火山は、刺激を受けても噴火するとは考えにくい。地震が起きたから火山が噴火するということではない。今回の熊本での地震も、阿蘇山の下に蓄積されているマグマに非常に影響を与えていることは間違いないが、阿蘇山の事情もあるので、そのメカニズムと照らし合わせる必要がある。


 中国地方の活断層の評価結果もいずれ公表される。活断層の長さから地震の規模もおおよそ分かるし、どこに活断層があるのかも示すことができる。熊本の地震では、死者が出た地域の多くが活断層沿いだったという情報もあるようだ。自分の住む地域にどのような危険があるのか認識しておくことが大切だと思う。


(地震研究所、地震火山情報センター長、国際地震・火山研究推進室長)

 

■東日本大震災後、火山で何が起こったか


         東京大学教授 中田節也


 東日本大震災以降、地震も噴火も起こりやすくなっているように見える。過去をさかのぼると非常に短い期間に地震や噴火をくり返したことが実際にある。地震だけでなく、火山噴火もこれから次次に起こる可能性があるという懸念は持っている。ただ、地震は多くなっているが、火山活動自体はそこまで活発というわけではない。新燃岳が東日本大震災の前に噴火し、その後も阿蘇山、桜島、口永良部島や、御嶽山の噴火があった。御嶽山では多くの被害者を出したが噴火の規模自体はレベル1~8のうちの1とか2ほどのものだった。


 火山があちこちで噴火しているが、噴火自体はどれも小さい。また火山学的な見方をすれば、日本ではこの100年から数百年のあいだの火山活動は極めて低調で、異常なほどの静かさだといえる。比較的大きく新しい噴火でいうと富士山だが、それでも300年前までさかのぼることになる。噴火の規模はマグニチュード5だったが、それ以降、同等規模の噴火はない。その後に起きたマグニチュード4の噴火が北海道の駒ヶ岳、鹿児島の桜島だが、その後の100年間はそれ以上の噴火は起きていない。


 火山と地震の活動は密接に関係しあっていると思うが、実ははっきりしているわけではない。火山が噴火するときに山の下にマグマが入ってきて地震が発生し、断層ができるという火山性の地震はある。ただ、それを別にして内陸での活断層による地震や、プレートの沈み込み帯で起こる地震が直接火山噴火に影響するのかどうかについては、はっきりと解明されていない。


 しかし、いくつか例はある。300年前に富士山が噴火した際には、その49日前にマグニチュード8以上の南海地震が起こっている。もう一つは観測史上世界最大のマグニチュード9・5を記録したチリ地震では、その2日後に近くの火山が噴火した。地震と火山噴火の因果関係を示せるかもしれない例はそれくらいしかない。実際に火山噴火と地震が近い時期に起こっている例はいくつかある。照らし合わせてみると、一見関連しているように見える。しかし、地震の方が火山噴火のあとに起きている場合もある。


 私は噴火をよくコーラの瓶に例えて話す。揺さぶって蓋を開けると中身があふれる様子が噴火と同じような原理だと考えている。そのため、地震によって受ける刺激が火山噴火の引き金になっていることも十分あり得ると思っているが、科学的に証明されたものはあまりない。


 では、具体的に東日本大震災のあとに火山では何がおこったか。


 震災直後、東北地方をはじめ20個くらいの火山の直下で地震現象があらわれ、それが数カ月から1年ほど続いた。富士山直下でも震災から4日後の3月15日にマグニチュード6・4の地震が起こった。私たちは富士山の直下にマグマ溜まりがあると考えているが、そのときの震源がマグマ溜まりの直上であり、あきらかに活断層も動いていた。おまけに300年も噴火しておらず、地震による圧力を解放する力も加わり、マグマ溜まりに刺激を与えていた。“これは噴火する”と思ったが、結局噴火は起こらないまま、そのような活動が約1年続いた。


 また、GPSによる観測で地形の変化がわかる東北地方の火山の観測データを見ると、5つの火山の山頂が5㌢凹んでいた。これは東北地方沖の海域に沈み込む大陸プレートから加わる力が、地震によってエネルギーを解放したことで弱まり、火山の下にあるマグマ溜まりに対しても押し込む力が弱まって、水風船を上から押したようにマグマ溜まりが変形したからだ。マグマが揺さぶられて刺激が加わることで火山は噴火すると考えているが、これだけマグマ溜まりが変形したり刺激されても、火山というのは噴火する気がないときには噴火しない。


 今回の熊本での地震について、現時点では(17日)阿蘇は停電しているため観測もできていないし、データもない。国土地理院による衛星のデータがもうじき発表されるので、地表の地殻変動の様子から地下で何が起きているのかを推測できる。今のところ気象庁のカメラで阿蘇山の映像を見ることができるが、見る限りは通常の状態と変わらない。地下のマグマの動きなどは衛星データの観測情報から得られると思う。


 今回の地震と関わって阿蘇山の噴火をみなが心配していると思う。だが、あれだけ山の斜面が崩れているのに、火口周辺の切り立った一番不安定な部分がまったく崩れていない。これが崩れて火口に蓋をされた状態になると、今まで出ていたガスが火山内にため込まれて噴火する可能性は高くなるかもしれない。しかし、そうなっていないところを見ると、今回起きた小さな噴火はたいしたことはないと見ている。


 阿蘇山は2014年の11月に噴火し始め、昨年の初めや末ごろはそこそこ活発だったが、この最近はほとんど終わっていた。


 今回の小規模な噴火を先ほどのコーラの瓶で例えると、一度揺さぶられて栓も抜いた状態であったため、また揺さぶってもそれほど大きく吹き出さなかったと見ていい。だが、何かほかの要因による大規模な噴火については引き続き注意する必要はある。今いえることは、火山もある程度準備してから噴火するので、すぐに阿蘇山が極端な噴火をするということはないということだ。



 噴火前兆見極める努力



 九州地方では現在、地震の震源地が広がっている。地面は繋がっているため、一つずれが起こるとほかの断層も刺激されて地震が起きる。もっと南の方まで震源地の分布が延びていく可能性もある。


 火山周辺では群発地震が起きやすい。火山周辺の地面は温かく、地盤も緩くなっている。そのため柔らかい地盤にはひずみがたまりにくい。その分、周りの硬い地盤にはひずみが集中する。従って火山周囲の柔らかい地盤とその周りの固い地盤との境界部分にひずみがたまる。マグマが動くことでひずみが生じ、またプレートが動いたときにもひずみが生じる。この二つの要因によるひずみが火山周辺地域に集中しやすく、「ひずみ集中帯」と呼ばれている。おかげで火山周辺では地震が起きやすいという特徴がある。東北地方の秋田県から北陸を抜けて岐阜県に至る地域も「ひずみ集中帯」で、火山が集中している地域だ。九州も同じようにいくつも火山が並んでおり、ひずみがたまりやすい特徴がある。


 火山噴火の方が地震よりも現象がゆっくりと進行するため、前兆現象はつかまえやすい。これを見逃さないようにしなければならない。御嶽山の噴火も明らかに前兆現象があった。噴火前に前兆現象であると見極められるかが求められている。見極めは経験則に基づいておこなう。御嶽山は79年に噴火し、その後2回ほど小さな噴火を起こして2014年の噴火があった。以前の小さな噴火のときの異常現象はとらえており、その際には地殻変動が起きていた。だが一昨年の噴火のときには地殻変動が起きずに噴火した。同じ火山の噴火でも現象が異なるため、噴火のタイミングの見極めは非常に難しい。


 最近は突然の噴火を防ぐため、あちこちの火山の火口に観測機器を置くようにした。東北地方にある蔵王山と安達太良山では異常現象を把握している。しかしこれらの火山ではこれまでも数年おきに必ず異常が出ている。くり返していくうちに本当に噴火することがあるが、異常が起きるたびに報告していたら、みなが「またか」と思ってしまい、いざというときに“オオカミ少年”のようになることを懸念している。そこが非常に難しいところだ。


 阿蘇山でかつて起こった巨大な“カルデラ噴火”も、調査や観測を始めてから起こったことがないので、どのような前兆があらわれるかもよく分からない。だが、噴出物を見ていくと、巨大な噴火の前に小さな噴火をくり返したり、山全体が膨らむのであちこちで地滑りが起きたりすることは予測される。


 だが避難するといっても、九州の人たちは逃げ場がない。カルデラ噴火とはそれほど大規模な噴火だ。外国へ逃げるしかない。今はそのときのために近隣の国と交渉し始めておかなければならないはずだが、そのような事態は「想定外」ということになっている。


 川内原発が再稼働しているが、再稼働差し止め仮処分却下の判決の内容は「噴火が起これば原発を維持できないほどのダメージが来ることは分かっているが、その確率は低く、いつ来るかも火山学的にはいえないため、そういうことは社会通念上考えないものとしてよい」というものだ。極端にいえば「いつ起こるか分からないものに対して考えても仕方がない。仮に起こったとすれば、原発だけでなく周りに住んでいる人たちも全て死んでしまうのだから、考えても意味がない」というものだった。
 しかし、それではいけない。予測できないから難しいのだが、もしも数週間前に異常が分かれば、大移動することも不可能ではない。カルデラ噴火が起きれば火砕流が九州地方のほとんどを覆うことになり、火砕流に覆われれば人間は生きることができない。だが、火山灰の場合はいくら降っても人間は生きていける。九州から遠ざかれば、その人間が死ぬことはない。住民は数週間あれば逃げられるが、原発は動かせない。原発だけがやられることになる。そうすれば放射能がまき散らされる。われわれ研究者もそのリスクを無視するわけにはいかない。それは「社会通念上考えられない」というのではなく、向き合って真剣に考えていかなくてはいけない所だと思う。


 そもそも川内のような土地に原発があること自体がおかしい。災害地帯であることを評価して再稼働などするべきではなかった。ガイドラインに書いてあることは、さほど間違ったことではない。しかしそのガイドラインを適用する際に、評価基準を相当甘くして無理矢理に再稼働へもっていった。そのことを何度も指摘しているのにとりあおうとしない。


 熊本における地震対応の遅れもひどいものがある。この地域でいつか地震が起こることは分かっていたのだから、どのように対応するかを国レベルの規模であらかじめ決めておかなければならないことだと思う。

 

 (地震研究所、火山噴火予知研究推進センター)

 

■日本列島で起こる地震のメカニズム


               東京大学准教授 飯高隆

 

 今回の熊本の地震は内陸の活断層で発生した地震で、日奈久断層、布田川断層という大きな断層が活動した。その後、震源域から離れた場所で何度も地震が起きて地震活動域も広がっているが、これは余震というよりも誘発によるものとされている。地震を起こした断層面で起こる地震を余震というが、少し離れたところで起きるのが誘発性の地震だ。


 日本列島で起こる地震のタイプは三つに分類される。場所にもよるが、日本海溝に太平洋プレートがだいたい年間10㌢ずつ沈み込みながら日本列島を押している。この境界で岩盤が跳ね返るようにして起こるのが①プレート境界地震で、東日本大震災がそれだった。プレートが日本列島を押す力が働くことで内陸にある活断層に力が加わって起こるのが②内陸地震という。さらに、沈み込むプレートが持つ割れ目で起こる③プレート内地震がある。


 東日本大震災のようなプレート境界地震は、数十年、数百年という短い周期で発生する。メカニズムや周期性がはっきりしていることもあって、比較的予測しやすい。近年は「南海地震が起こる」といわれているが、これは地震学者のほとんどが「確実に起こる」と答えると思う。南海トラフで発生する地震については、あるモデルに基づいて計算すると30年以内に60%~70%の確率で発生するという試算もある。


 日本列島には東から太平洋プレートが沈み込み、南の方からフィリピン海プレートが沈み込んでおり、それらのプレートが日本列島を押している。さらに国内には数多くの活断層があり、その中でひずみが集中し、たまったものが割れることで発生するのが、今回熊本で起きたような内陸地震だ。一つ一つの活断層は数千年から1万年という非常に長い周期で活動するので、以前に起きた地震を観測できていない。だから地層を掘って調べたり、歴史的にさかのぼって古文書を読んだりして調査しているが、あちこちにある活断層に関して「どれが割れるか」というのがまず分からない。また、堆積物などで覆われて目に見えない断層もある。活断層地震については発生を予測することは非常に難しい。日本中どこにでも活断層はある。さまざまな方向からプレートの力が加わる日本列島の内陸部にある活断層について、いつどれが地震をおこしてもおかしくないということがいえる。


 地球は外側から地殻・マントル・核に分けられる。地殻の厚さは30㌔㍍ほどで、さらに地殻は上部地殻と下部地殻で15㌔㍍ずつに分けられる。簡単にいうと地球は中心に近いほど温かいため、上部地殻は冷たく、下部地殻は温度が高い。冷めた地殻の方が力が加わると割れやすく、下部地殻は熱で柔らかくなっており割れにくい。実際の内陸地震の震源域も断層面は深さ15㌔㍍ほどまでしかなく、下部地殻までいくことはない。阪神淡路大震災頃から研究者の間では「地殻の中の流体(水)が岩石の強度を弱めて地震を発生させるのではないか」といわれ始めており、現在検証している段階だ。


 揺れを感じる地震以外も含めると日本では相当数の地震が起きている。今年1月の1カ月間だけで、実は日本列島では5000回以上も地震が起きている。これだけの地震が起こるのが日本で、たまたま大きいものが「有感地震」といわれ、揺れを感じる地震になる。


 どの活断層が割れるのかは推測できないが、活断層の大きさによって地震の規模などは推測できる。「地震調査研究推進本部」が、日本の主な活断層について評価をしている。地震の規模はM(モーメント)=剛性率×滑り量×断層の面積によって求めることができる。断層の長さや過去の地震による地質のずれ具合、固さなどを調べて、次に起こるであろう地震の規模を推測する。活断層は約100万年以内に活動したことが認められる断層だが、活断層と呼ばれない断層も地震を起こさないとはいえない。日光足尾地域や紀伊半島などでも頻繁に小さな地震は起きている。


 熊本は火山地帯で、火山内のマグマの動きによって生じる地震もあれば、今回のような活断層による大きな地震も起きる。地震の原因は異なるが、もとをたどればどちらもプレートの動きに由来するものだ。プレートが動いている限りはどこかで地震も火山噴火も起きるし、とりわけ日本はその確率が非常に高い地域といえる。


 (地震研究所、地震火山噴火予知研究推進センター)

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