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連日熱を帯びる国会包囲 霞が関に鳴り響く「安倍やめろ!」 止められぬ国民の直接行動

 安倍首相が「強行採決も辞さない」と安保法案の週内成立を公言するなか、東京永田町の国会議事堂前では、法案の廃案と安倍政府の退陣を求める大規模デモが熱を帯びて拡大している。国会前では毎回数万人規模、それに連動して全国2000カ所以上の場所で累計130万人以上が抗議するという空前の規模に発展している。国民世論にも居直る姿勢を見せている安倍政府に対して、都内各所をはじめ全国から集まった人人による抗議デモは勢いを増し、「国会包囲」が呼びかけられた14日には、およそ4万5000人の群衆が国会前に押し寄せた。
 
 強行採決で更に拍車疑いなし

 午後6時半開始の呼びかけにもかかわらず、午後5時には国会前に続くすべての歩道は人で埋め尽くされた。地下鉄駅から続続と人人が押し寄せるなかで、過剰反応を示したのが警視庁で、1日がかりで歩道と車道の間に高さ1・5㍍もの鉄柵を敷き詰め、1車線を埋めて警察のバス車両を隙間なく並べて壁をつくり、そこに各地から総動員した警察官が三重目の壁となって国会正門に向かう人人の動きを遮断。デモの規模を膨らませないために「車道は絶対に解放しない」という姿勢を見せつけた。無言の威圧を人人に与えるため総力をあげる官邸側の焦りをうかがわせた。それでも瞬く間に膨れあがる群衆を狭い歩道に力ずくで押し込めようとするため、圧迫された人人の中からは「このままでは窒息する」「警察が狭い歩道をますます狭くして市民を危険にさらしている」「なぜ車道を解放しないのか!」と怒号が飛び交った。
 また、警視庁は日比谷方面から国会正門前に通じる横断歩道を封鎖し、詰めかけるデモ参加者に大きく迂回を求めたため、人人の怒りは頂点に達し「警察は帰れ!」「過剰警備をやめろ!」「道を開けろ!」「前へ! 前へ!」の大合唱となり、ひしめき合った人人は鉄柵をつかんで車道側へ押し出しはじめ、警察との押し合いでけが人が出るほど加熱するなか、ついに封鎖網が決壊し、怒りに充満した人人の群が車道全体を埋め尽くしながら国会正門へと押し寄せた。
 夜の抗議行動であるため参加者はサイリウム(発光ライト)やペンライトを持参し、安保法案に反対する学者の会、各大学有志の会の幟旗、「アメリカに媚びを売ることが保守なのか?」「再び教え子を戦場に送らない」「戦争法案絶対廃案」「アベリカ軍阻止」「安倍政権・死の商人」などそれぞれの思いを記した自作のプラカードを掲げた。
 スピーチでは、「安倍政府は9月18日に参議院採決の強行を狙っているが、その日は満州事変の日だ。侵略戦争開始の日に新たな戦争を合法化する。これほど恥知らずな指導者を許していいのか。世論の力で時間切れの廃案に持ち込もう!」(大学教員)、「平和的な集まりにこれほどの警察車両は異常。それほど安倍さんは国民が恐ろしいのか」(大学教員)、「日弁連は全国52の単位会で戦争法案の廃案に向けてたたかっている。普通の法律家ならこの法案が全ての点で違憲であることが明らかだからだ。これまで自民党政権を支えてきた歴代の内閣法制局長官が違憲だといい、元最高裁長官も違憲だというもののどこに強行できる正当性があるのか。立憲主義国家としてあり得ない」(弁護士)など熱のこもった発言があいついだ。
 学生たちも、「今日は、戦争で死んでいった人人、生き延びて戦後日本の平和を守った人たちとともにある。戦争をくり返すのかどうか、過去から、未来から、生まれてくる子どもたちから私たちが問われている。その問いに答えるのは今であり、安倍政権退陣を求めて声を上げるときだ。世論に追い詰められているのは彼らだ。民主主義国家であるのなら、私たちは主権者として堂堂と主張しよう」(男子学生)、「与党の皆さん、歴史があなたたちを否定する。私たちは戦争法案を止め、あなたたちを引きずり落とす。絶対に諦めない」(男子学生)など気迫を込めて訴えた。
 「戦争反対!」「安倍は辞めろ!」「今度は俺たちがいうことを聞かせる番だ!」のコールは午後九時を過ぎても勢いが衰えることがなく、国会前のメインステージを取り囲んでいた警察車両も封鎖を解き、「安倍はやめろ」コールが霞ヶ関を揺るがした。抗議行動は午後10時過ぎまで続いた。
 デモを主催する総がかり行動実行委員会、学生団体SEALDsは、連休前の18日まで連続して国会前行動を呼びかけており、16日には参議院地方公聴会が開かれる横浜でもおこなわれる。

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