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「シリアの化学兵器使用はでっちあげ」 米英の報道機関が暴露

 米英仏軍が4月14日、シリア政府軍が「化学兵器を使用した」と叫んで、シリア政府の施設などを105発の巡航ミサイルで攻撃した。この軍事行動を糾弾する行動が世界各地に広がっている。そのなかで、マスコミのなかからも「化学兵器使用」の宣伝に疑義を表明する報道が出ている。

 

 「4月7日に化学兵器が使用された」と一斉に振りまかれた直後の9日、米ニュース専門チャンネルFOXニュース(20世紀フォックスルグループ)で、ホスト役のタッカー・カールソンは、こうした宣伝に疑問が多いと指摘した。これまではFOXニュースは共和党支持の立場をとってきた。

 

 カールソンはシリアとの戦争熱をあおる動きを指摘し、「そもそも毒ガスそのものから、疑ってかからなければならない。かれらはアサドが子どもたちを殺したというが、それはでっちあげだ。アサド軍はシリアで戦争に勝利している。(トランプ)政府は、IS(イスラム国)を抑え込んだので、シリアから米軍を撤退させると発表したばかりだった。それはアサドにとってよいことだ。それを逆行させ、みずからを傷つけるものでしかない毒ガス使用をするだろうか」と問題を投げかけた。このニュースのなかでカールソンは、トランプ政府が昨年4月にシリア政府軍が「サリンガスを使用した」としてやったミサイル攻撃についても、いまだに「証拠がない」ことを指摘している。

 

 またニュースネットワークのOAN(ワンアメリカニュースネットワーク)が流した4月16日のシリア現地報告は、「化学兵器使用」などなかったという住民の声を伝えている。シリア政府軍によって解放されたばかりの東ゴータのドゥーマ現地に取材に入ったOAN記者のピアソン・シャープは、民間防衛組織ホワイト・ヘルメットが「化学兵器使用」の画像として流した病院の近くに行き、10人ほどの住民に話を聞いている。住民は「化学兵器攻撃について何か見たりしたことも聞いたこともない」と話した。さらに街の別の地域に行き30~40人の住民に聞いている。とくに注意したのは、無作為に声を聞くことだったという。住民らが話したのは、「化学兵器使用」は追いつめられて必死だった「反政府軍」によるつくり事だということだった。ちなみにOANはこれまでトランプ支持といわれてきた。

 

 イギリスのオンライン日刊紙『インディペンデント』は4月17日、同紙の中東特派員のロバート・フィスクのルポ「ドゥーマのガレキの中での真実の探求 化学兵器攻撃への疑問」を掲載した。このルポはホワイト・ヘルメットの画像の舞台となったドゥーマの地下病院の医師らへのインタビューが中心である。医師の証言は次のようなものである。

 

 「すべての医師はなにが起きたか知っている。その夜、政府軍の爆撃による粉塵が住民の住んでいた地下室にも入ってきて、低酸素や呼吸困難でこの病院に運ばれてきていた。そこにホワイト・ヘルメットが飛び込んできて「ガスだ!」と叫んだことで、パニックが起きた。人人はおたがいに水をかけあったりした。それをビデオ撮影していった。ニュースで流された映像は、ここを撮影したもので本物だが、それは低酸素症などで苦しむ人人で、ガス中毒ではない」。

 

 ルポのなかで記者は、ホワイト・ヘルメットや米英仏などが宣伝する「化学兵器使用」での多数の死者について住民に聞いたが、誰もそれを知らないし、米英仏のシリア攻撃がドゥーマでのことを口実にしていることさえ知らなかったとのべている。またホワイト・ヘルメットについて、ロシア軍の仲介工作を受け入れ重火器を捨ててドゥーマから退去した「反政府派」について出て行っており、現地にはいなかったことを報告している。

 

 ホワイト・ヘルメットは、民間防衛隊を装っているが「反政府派」を装う傭兵テログループの宣伝機関であり、創設者はイギリスの退役軍人である。ホワイト・ヘルメットがいかなる代物か、欧米ではすでに広く暴露されている。

 

 今回の米英仏のシリア攻撃でホワイト・ヘルメットの役割はあらためて証明された。元ロックバンド・ピンクフロイドのメンバーであるイギリスのミュージシャン、ロージャー・ウォーターズは攻撃直前の4月13日、スペイン・バルセロナのコンサート中、ホワイト・ヘルメットを糾弾する声明を発表している。

 

 声明は「ホワイト・ヘルメットはつくられたインチキ組織であることは絶対間違いない。ジハード主義者とテロリストの宣伝をつくるためだけの存在だ。もし僕らがホワイト・ヘルメットや他の宣伝を信じてしまうなら、自分たちの政府がシリアに爆弾を投下するのを助けてしまうことになる。これはものすごい誤ちだ。完璧な調査をおこなわず、実際に現地で何が起きているのか分からないうちは、そうさせてはだめだ」と呼びかけている。

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