いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

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法務大臣が知らぬ法案の審議

 共謀罪の実質審議が始まった19日の衆院法務委員会では、金田法相について使い物にならないと判断したのか、ついに慣例を破って自民党をはじめとした与党が法務省刑事局長を政府参考人として招致し、答弁させる前代未聞の事態に発展した。官僚が大臣になりかわってみな答弁するのであれば、すべての大臣ポストは各省庁の事務次官なりがやればよいわけで議院内閣制は体を為さない。ところが、森友学園問題と関わる審議で目撃した“困った時の佐川理財局長”よろしく、ピンチに陥ったらすべて官僚に丸投げしてしまえ! をやっている。これで「官邸主導」を叫ぶのだから厚顔無恥も甚だしい。
 今回の一件が浮き彫りにしているのは、金田法相が共謀罪についてまるで無知であり、大臣がみずからの言葉で説明できない代物を国会で審議しているという矛盾だ。自分がわかっていない法案について説明しろといわれ、「わかりません」とはいえずに弱り果ててしまい、しどろもどろの答弁に終始してきた。そして「国会提出後に議論すべきだ(国会質疑は勘弁してほしいの意)」といっては糾弾されて撤回し、「山菜採りやキノコ採りもテロ資金源」といい始めたり、頓珍漢な説明をくり返してきた。野党に集中砲火を浴びる度に困った顔をして周囲に泣きの視線を送り、それに対して他の閣僚も「こっちを見るな!」といわんばかり。見かねた首相本人が割り込んで早口でまくしたてるなど反論をくり返してきたが、これでは埒があかないと判断したのだろう。最終的な官僚の登板は、政府あげて答弁できる者がおらず、白旗をあげたことを意味している。同時に、大臣など不要であると宣言したに等しい。
 使い物にならないことを宣告されているのに、その後も金田某が更迭されず、大臣の椅子に座ったまま官僚答弁を羨望の眼差しで眺めている姿は、まるで無能の見本市かと思わせるものがある。この間の失言問題も含めて、閣僚は揃いも揃ってこんなのばかりではないか- と。
 共謀罪は刑法を根本から揺るがす問題として、刑法学者や日弁連がその危険性を真剣に指摘してきた。ところが当事者であるはずの法務大臣はあの様で、政府はどのように必要なのか、何に適用するのか明確な説明すらできない。そのようなものをどう運用するのか? も含めて根本から問わなければ話にならない。
 安倍政府は改憲等等、国の形を変えることに熱を上げてきた。しかし、彼らはそもそもの国の形とか三権分立、議会制民主主義、議院内閣制などの建前すら知らない可能性がある。「立憲主義を守れ!」等等と学者たちは本気で抗議してきたが、立憲主義がどっちを向こうが興味もない者に難しい話や定義だけを唱えたところで糠に釘であり、対米従属構造のもとで腐り果てた統治機構は馬耳東風なのである。そして「一強」政府のなかから、今度は七光りの政務官がストーカー不倫を起こして世間に迷惑をかけている。国の行方よりも女性に関心があるそうだ。
   武蔵坊五郎

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