いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

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制裁されているのはこっちだ

 北朝鮮がミサイル発射準備をしているということで、ブッシュ政府とともに小泉政府が「厳重な制裁」を叫んでいる。日本の国民にとっては、規制改革の叫びによって、ホリエモンや村上ファンドのような利ざや稼ぎが大もうけをする一方で、食うや食わずの人間が増え、自殺したり餓死したりするような状態で、すでに制裁されているのはこっちの方だといいたくなるほどである。いまや「日本のようないい国にしなさい」などとは、恥ずかしくていえない実態ではないか。
 ブッシュ政府は北朝鮮を「悪の枢軸」といい、「貧乏で専制国家」といってきた。それでもアメリカの言いなりにならないのは、ひと言も「ノー」とはいえない「ブッシュのポチ」といわれながら国民を貧乏と専制政治でしめあげてきた小泉政府とは大違いである。
 北朝鮮のミサイルの発射準備が脅威ということは、日本が種子島などでやっているロケット発射も北朝鮮側から見ると脅威ということになる。それどころか、日本全土に張り巡らされた米軍基地や日本海からいつでも核ミサイル攻撃できる態勢をとっていることは北朝鮮の側から見たら大変な脅威である。「北朝鮮のミサイルの脅威」は、アメリカ側からの圧倒的な核攻撃態勢をやめれば簡単に解決することである。
 この「ミサイル発射準備」という情報も、アメリカが北朝鮮の国土で起きている一挙手一投足を偵察衛星などで、つねにのぞいていることを示している。家の中を他人にいつものぞかれて平穏に暮らせる家庭はない。不審船のような原始的方法のスパイ・諜報活動はいけないが、人工衛星などの近代的な方法のスパイはいい、相手がやるスパイはいけないが自分がやるスパイはよいというのでは、相手方が怒るのは当然である。
 国際的な紛争は武力ではなく話し合いで解決するというのは、第二次大戦の痛ましい体験をした日本の国是である。相手の身にもなって考え話し合いで解決するというのではなく、一方的に自分の言い分ばかりを主張して、いうことを聞かなければ経済制裁をし、武力にも訴えるというのは、ブッシュが退治するといった「ならず者国家」である。アメリカの手下になってアジアと敵対するのではなく、アメリカの横暴を拒絶してアジアの近隣諸国と仲良くするのが日本人の願いである。     那須三八郎

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