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下関市議選告示 2期目に挑む本池涼子の街頭演説 れいわ新人・竹村かつしも街宣

49人が立候補した下関市議選のポスター掲示板(29日、下関市役所前)

 下関市議会議員選挙が29日に告示され、2月5日の投開票に向けて1週間の本戦が幕を開けた。最終的に定数34に対し、49陣営が出馬。届け出を済ませた各陣営が一斉に選挙カーで市内を走り始めた。本池涼子陣営も市内各所で演説を開始した【全文別掲】。

 

 今回立候補したのは現職29人、新人20人。内訳は、自民が19人、公明が5人、「日共」4人、連合系が3人、参政党が1人、れいわ新選組1人、無所属16人となっている。ただ、自民党は前回市議選で推薦した新人が多数落選した経緯などもあることから、今回新人は推薦しない方針とした。「無所属・新人」のなかには、当選した場合、自民党会派に所属することが明らかな候補者も相当数含まれており、新人のうち本当の意味での「無所属」はわずかしかいない。

 

 本紙でもとりあげてきたように、安倍晋三亡き後、初となる今回の市議選は、過去最多ともいわれる候補者たちが名乗りをあげ、宣伝合戦をくり広げてきた。年明けに突如参戦してきた候補者もいるなど、抑えがきかなくなったもとで、安倍派、林派それぞれの思惑が絡み合いながら進展し、50陣営をこえる様相を呈していたが、最終的に新人は20人というところで落ち着いた。

 

 安倍事務所の解散によって、後ろ盾を失った自民党現職市議たちによる企業票や団体票等の組織票の奪い合いなど前哨戦は一部で過熱してきたものの、一般市民は、与野党ともに馴れ合い、翼賛化した市議会の利権争いを冷めた目で見ており、「一度総入れ替えすべき」という世論は根強いものとなっている。

 

 1月28日現在の有権者数は、合計で21万3269人(男…9万7965人、女…11万5304人)。前回市議選(2019年2月3日投開票)では、有権者数22万1761人に対し、投票率は43・63%にとどまり、半数以上の市民が棄権している。今回選挙は、投票率が相当上がらない限り、当選ラインは下がる(前回市議選の最低得票数は1743票)と見られており、基本的には組織票を持った現職有利の構図だ。

 

 立候補者が多いということは、本来なら投票率が上昇しておかしくない選挙だ。政治不信が強いなかで、下関では近年、国政、県政、市政いずれの選挙も投票率が50%を切る状況が続いており、各陣営がこれら棄権してきた有権者の支持を得られるかどうか、投票率の動向も注目されている。

 

◆本池涼子の街頭演説(全文)

 

街頭演説をおこなう本池涼子市議(29日)

 私は4年前の選挙で市民みんなのために働くこと、議会においては是々非々を貫き、不正腐敗については相手が誰であっても追及していくことをお約束して、議会に送り出していただきました。

 

 この4年間で見てきた下関市議会の姿は、「行政のチェック機能を果たす」という二元代表制の本来あるべき姿とは程遠いものでした。はっきりいってしまえば、市長をトップとする執行部を支える「追認機関」であり、その判断基準は「市民にとってどうか」ではなく、すべて政党や会派のパワーバランスで動いていることでした。政党とはすなわち自民党であり、皆さんご存じのように安倍派、林派といわれる人々を中心に会派という群れができ、すべてがこのピラミッドのもとで決まっていく――そのようなものでした。

 

 非常に情けないことなのですが、もっとも熱を注いでおられたのは、議長、副議長の選挙や、常任委員会の委員長・副委員長のポストをだれが握るのかということで、それが決まりさえすれば議案についてはいつも「賛成マシーン」に成り下がってしまうのです。34人もいながら、いったいどれだけの現職がチェック機能を果たしてきたというのでしょうか。

 

 「二元代表制」――それはとても聞こえのいい地方議会の代名詞ではありますが、執行部と一体化した賛成マシーンなのであれば、下関市議会だけは「一元代表制」なのだとはっきりさせるべきであり、それは議会などあってないようなもの――といっても過言ではないように思います。そのように「行政をチェックする」という仕事を投げ捨てて、逆に「行政をチェックするな」と圧力までかけてくる議会とはいったい何なのだろうか? それが私、本池涼子がこの4年間で感じた大きな疑問です。

 

 「行政をチェックするな」と圧力までかけてくる議会とは何か――と関わるのですが、その一例として下関市議会の「公用タクシーチケット問題」というのがあります。

 

 4年前に当選させていただいたのち、街のあるタクシー運転手の方より、「下関市議会の議長や副議長が、夜な夜な唐戸や豊前田の飲み屋から自宅まで、タクシーチケットを使い放題で帰宅しているが、あれは税金ではないのか?」「おかしいではないか」というご指摘をいただきました。

 

 そのような特権があることなど露知らず、これはいったいどうなっているのかと思い、新人議員ながらゴソゴソと調べてみました。議会は行政のチェック機能ですが、その議会は誰がチェックするのか? 誰もチェックしないなら議員みずからがチェックするべきであると考えてのことでした。飲み屋からの帰りのタクシー使用がすべて税金でまかなわれているなどもってのほかと感じたからです。

 

 そして公用タクシーチケットの写しであったり、公務証明の実態など情報公開請求等等によって調べを進めていくと、市議会の歴代正副議長が私的な飲み会の帰りに、本来「公務」の行き来にしか使えないはずの公用タクシーチケットを使って、夜遅くに帰宅している実態がわかってきました。多いときには月15万円もタクシー代が税金から支払われているのですから驚きです。週に何度も、豊浦町や豊北町まで1万円近くかけてタクシーで帰られるお父さん方が、この下関にどれだけいるというのでしょうか。正副議長にとっては、人のカネすなわち税金だからできることで、それが特権であるというならおかしな話です。

 

 したがって、その使い方はどうなっているのか、間違っていなかったのか、私は議会で一般質問することにしました。するとどうでしょうか。質問通告を提出した後、たった2日で「議会に対して質問してはいけない」というおかしなルールがつくられたのです。会派の代表たちで構成する議会運営委員会において、この一般質問を排除するためだけに設けられた新ルールです。下関市議会の特別ルールであり、要するに「チェックしてはならない」というのです。正副議長に50枚綴りの公用タクシーチケットを渡し、予算執行している議会事務局に対して、「質問してはならない」「チェックしてはならない」というのです。

 

 あの手この手で一般質問には挑みました。そして、正副議長にも是正するよう何度も申し入れしてきました。しかし、開き直っておられるのか、現在まで謝罪も返金もありません。ただ、私も議員としての任期が終わるこの年末に再度情報公開によって調べたところ、使用回数は激減していることが確認できました。「チェックしない」のではなくチェックして監視の目が光っていること、問題提起することで事態の改善に向かったのであれば、それはやらないよりはやった方が良かったのだと思いました。

 

 公用タクシーチケットにまつわる問題は予算規模からしたら小さな額かもしれません。しかし、こうした問題一つまともに正せない議会の実態があります。しかも問題が明らかになっているのに、誰ひとり「おかしいではないか」と声をあげる現職がいないことに、私は愕然としました。34人もいながら、いったいどうなっているのかと――。いわゆる野党といわれる皆さんも、口をつむってダンマリしておられるし、自民党会派の紐のようにぶら下がっているだけではないですか。こうしてみずからを省みて過ちを是正できない者が、いったい行政の何をチェックするというのか、教えてほしいほどです。

 

 高額な報酬のうえに胡坐(あぐら)をかいて、その地位を守るために議会のなかでは馴れあい、おかしいことであってもおかしいといわない。それどころか、異論を唱える者はみんなしてつぶしにかかる。そして、下関市議会にしかないような新ルールまで作って、飲み会帰りの公用タクシーチケット使い放題を隠蔽する。

 

 「議会に対して質問してはならない」?。寝言は寝ていえ! とおっしゃられる方もいるでしょう。私は寝言は寝てからいいましょうといい換えます。ふざけるな! とおっしゃられる方もいるでしょう。私はふざけないでいただきたいといい換えます。

 

 こうした体質が「あたりまえ」になってきた結果として、議会は税金を使いたい放題の特権的な身分となり、市民感覚からかけ離れたものになっていくのではないかと感じています。こうした汚(けが)れた部分を温存したまま、表向き市政をチェックしているふりをしたところで下関市がよくなるわけがありません。だって、議会みずからのチェックすらできないのです。

 

 ちなみに皆さん、この選挙のポスター掲示板をジックリとご覧になって下さい。「議員定数削減・賛成○」と同じ印を刷り込んでおられる自民党候補の方々がいらっしゃいます。まるで「議会改革の旗手」であるかのようなプロモーションですが、先程からのべているように公用タクシーチケットの使い放題をしていた議長、副議長たちを輩出してきた会派の方々であり、何をかいわんやであると私は思っています。議会改革を本気で思うなら、みずからの会派の一員である議長、副議長たちに対して、公務証明すらできないような不正なタクシーチケットの使用分について、返金させるよう迫るのが筋ではないでしょうか。話はそれからであると私は思います。まずは身ぎれいにすべきとはっきり申し上げます。

 

 私はこの選挙で「フレッシュ下関」とか「下関一新」とかのキャッチーなフレーズを叫ぶつもりはありません。それって、何か意味があるのだろうか? と思うからです。もっと具体的に、この郷土下関の現実に切り込んで、市政をまともなものにするために働きたいと思います。

 

 下関はみなさんご存じのように、安倍派、林派に連なる方々が何だか私物化争いに勤しんでおられ、どっちが覇権を握るか――みたいなことを議会でもやっています。しかし、どうでしょうか? どっちが覇権を握ったところで、それって私物化を争っているだけではないでしょうか? 安倍派でも林派でもない私たち、つまり多くの市民を置き去りにしていないでしょうか? そうやって一部の利害関係者のみを利する市政ではなく、市民全体のために機能する市政に変えていくことが、私、本池涼子の仕事であると考えています。たとえ議場で「ものいう議員」が一人であろうと、私は4年前にみなさまに約束した通り、あくまで是々非々を貫き、みんなのために働く――をやっていきます。

 

 本池涼子、2期目も全力で挑んでいくことをお約束いたします。もっと暴れろ! 頑張れ! と応援していただけることが、なによりの励ましです。みなさまのお力で、再び議場に押し込んでいただけるよう、何卒お願いいたします。本池涼子にみなさまの一票を託していただけるようお願いいたします。

 

 

◆れいわ・竹村かつし陣営 山本太郎も応援に

 

れいわ新選組公認の竹村かつし候補と応援に駆けつけた山本太郎代表(29日、下関駅前)

 れいわ新選組公認の新人候補・竹村かつし陣営も、市内外から集まったボランティアに支えられながら選挙戦に突入した。告示日には、れいわ新選組の山本太郎代表も応援に駆けつけ、下関駅前などで候補者とともに街頭宣伝をおこなった。


 下関駅前の街宣で冒頭マイクを握った山本代表は、「あなたのために汗をかき、あなたが困ったときには真っ先に駆けつける。それがれいわ新選組で一緒に活動してきた竹村かつしだ。嘘をつかない、ぶれない、長いものに巻かれない。この3つは政治家にとって最も必要なことだが、実際の政治の世界では数少ない」とのべ、次のように竹村氏を紹介した。


 世の中で信頼できないものの一つに政治をあげる人も多いだろう。でもその政治が信頼できないからといってあなたがそれを手放してしまったら、政治はよりたちの悪いものになってしまう。今この世の中に存在している規則、ルールのほとんどはそれぞれの議会が作る。例えば法律は国会で決まる。その法律をもとに法令などの地元のルールも決まっていく。例えば消費税を上げるルールが作られたら、嫌でも上がってしまう。あなたにとって困ることも政治の場で作られる。このルールを決める場所にみんなの生活をよくわかっている人を一人でも多く送り込んでいただきたい。


 竹村かつしは、アントニオ猪木の孫弟子、藤波辰爾の弟子としてプロレスをやってきたが、体を壊し、ここ下関で介護の仕事をやってきた。そこで毎日さまざまな高齢者のお世話をしているうちにたくさんの人が困っている実情を知り、この状況を変えられるのは政治しかないと思うようになった。困った人たちの声を聞き、感じてきたからこそだ。選挙のときには頭を下げ、手を握りたがる政治家はたくさんいるが、その後あなたに手を差しのべてくれる政治家がどれだけいるだろうか? だが、この人は違う。いつもあなたの目線に立ち、常に困った人に目配り、心配りができる人だ。ぜひ力を貸していただき、市議会に送り込んでいただきたい。下関にあなた自身が作り出す希望として、竹村かつしを勝たせてほしい。


 続いてマイクを握った竹村かつし氏は、次の様に決意をのべた。


 介護の仕事をしていると、一人暮らしで買い物にも行けない人、身動きもとれない人、デイサービスに連れて行こうと思ってピンポンを押しても出てこられず、結局一人で亡くなっていたお年寄りもいた。そんな高齢者の人たちには担当者を付け、こちらから助けに出向いていくしくみさえあれば起こらないことだ。


 教育問題でも、食事も一つの教材であり、給食は無償にすべきだ。年金を下げられ、医療費や社会保険料は上げられる。そんな死にたくなるような世の中をやめたい。


 私はこの下関を盛り上げて、明るく、みんなが優しく、一緒に生活の安定を求めていける街にしたい。


 2019年4月、山本太郎代表が一人でれいわ新選組を旗揚げしたとき、私はそれを広げて地方を変えたいと思った。一昨年には、れいわ新選組の候補者として衆議院選をたたかい、約2万人の人々から力をいただいた。もっと頑張れ! という激励も受け、ここで諦めるわけにはいかないと思って政治活動を続けてきた。


 3年前にはこの街にポスターの1枚も貼られていなかった。多くの人にお力添えをいただいたからこそ、今ここに私は立てている。一生懸命働きたい、皆さんのために働かせてほしい。


 ここに根を下ろし、れいわ新選組を広げていくことでしかこの街はよくならない。この街にはいろんな政治家も政党もあるが、一緒になって手を組んで底上げしないとこの街はよくなるはずがない。私はプロレスと介護しかしてこなかった人間だが、政治で世の中を変えるために頑張りたい。

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この記事へのコメント

  1. 夜明け前 says:

    なかなか良く書けている。れいわや山本太郎には疑問を感じることが少なくないが、本池さんは評価したい。吉田何とかよりは国会議員にふさわしい。

    市議選のチラシを読んでみても、その人間の有りようはよくわからないのだが、この記事のような文章をそれぞれ書かせてみればいいかと思う。

  2. はなくろ says:

     他県の者ですが竹村かつしさんを応援しています。それはれいわ新選組の「生きてて良かったと思える社会」を実現できるのは、れいわ新選組しかないと思うからです。
     他県なので竹村さんに投票することはできませんでしたが、ずっと応援しています。

  3. 猿橋春夫 says:

    れいわの竹村さんの当選に、東北・仙台の地で感激しております。先の国政にも挑戦した竹村さんですが、今回の選挙には代表の山本太郎氏も駆けつけて支援を訴えていたが、胸が熱くなる思いだった。じき、78歳を迎えるが、確定が決まるまでパソコンに張り付いていただけに、その時は思わず熱くなった。彼のお話に議員固有の流暢さはないが、朴訥とした実践に裏打ちされた話には感動しました。私は、旧文部省勤務当時は与党、野党を問わず多くの議員に仕事でお会いしたが、言っていることは、誰かの挨拶や質問、文章等のきりばりで自分の信念は何もなかった。
    橋本竜太郎総理から、義母の事業を助けてくれ!と、直々の電話をもらったこともあったが、内容は褒められないが、堂々としており忖度がなく、上司を含め気持ちよく受け止めることが出来た。(これが、橋本総理への回答?であります)
    竹村さは、これまでの経験を活かし、市民を守る視点から、その一言に尽きると思いますが、
    周囲の議員に振り回されることなく、自身の信念で頑張って頂きたい。
    健康あっての議員活動です。健康にはくれぐれもご留意願いたい。

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