いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

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国民の為の政治を取り戻す 資本の代弁者は退場せよ 「比例はれいわ」訴え

 れいわ新選組山本太郎代表は、現在おこなわれている衆議院選挙(31日投開票)の比例東京ブロックから出馬し、公示日から東京都内各地、週末には横浜・川崎でれいわ新選組や野党の候補者とともに遊説活動をおこなっている。選挙戦では、25年のデフレによって衰退し、コロナでさらに疲弊した日本社会を立て直すために、国による徹底的な財政出動が不可欠であること、そして経済を落ち込ませてきた消費税を廃止、最低でも5%へ減税することを公約の大きな柱として有権者に訴えている。また、政策の財源は国債の発行によって実現可能であることも調査や試算を元に政策根拠として示している。そして、一部のために奉仕する政治ではなく国民のための政治をとり戻すために幅広い支持を呼びかけている。23日に東京・池袋西口でおこなった遊説で訴えた内容の要旨を紹介する。

 

 

 今回の衆議院選挙は非常に重要だ。コロナによって経済が落ち込み大変なのはもちろんそうだが、世界と比べて日本だけ特別な事情がある。それはコロナが来る前にすでに二五年続いた不景気、デフレから脱却できないところにコロナまで来てしまい、それによる影響で多くの人々がこの先倒れていく可能性が高い。もうすでに多くが倒れている。ここからさらに景気が悪くなるということを政治の力で止めなければならない。

 

 そんなときにどういう経済政策を打つかといえば、世界中を見てみればよくわかる。アメリカはコロナ対策とその先の投資も含めて600兆円ものお金を出すことを決めているし、給付金は5回もおこなっている。一方日本は1回だけだ。コロナという災害を10万円で乗り切れというのか? 「数々の支援策があるじゃないか?」という声も聞こえてくるが、要件が厳しかったり手続きが難しかったりで、支援を受けられていない人もいる。「できれば出したくない」という国の気持ちがよくわかる。こんなことをやっていたら、生き延びることが可能なはずの事業者も倒れる。失業せずに済む人たちが失業する。コロナという災害で経済的に落ち込みそうだというときにこそ、国が民間や個人の努力に頼るのではなく、徹底的にお金を出すことをやらなければならない。政府という権力を持てばそれができる。

 

 「税金には限りがある」? おっしゃる通りだ。だから税だけが財源だと考えていてはだめだ。600兆円の財政出動をしたアメリカは自国通貨「ドル」を持っているから、基本的にはお金を刷って増やすことができる。実際には刷っておらずコンピューター上で数字を動かしているだけだ。それで不安定になっている景気をしっかり下支えして、事業者を倒さない、失業者を生み出さない、社会が不安定化しないように手当てをする。これは経済政策の基本だ。イギリスにも自国通貨「ポンド」があり、アメリカと同じように不安定なところを支えていきながら、社会が壊れないように手当てをしている。

 

 一方、日本にも自国通貨「円」がある。自国通貨を持ち、変動相場制というなかにある国々は、財源が足らなければ自分たちでお金を増やすことができる。これは世界の常識だ。しかし日本ではテレビや新聞が事実を伝えないから「国・政府の借金は国民みんなの借金」という洗脳が行き届いている。

 

 ただ、いくらでもお金を刷って、いくらでもばら撒いていいという話ではなく、上限がある。それは金額ではなくインフレ率だ。インフレ率2%になるまではお金を増やし、必要なところに流し込むことができる。

 

 インフレ率の上限2%に達するまでに、いくらまでならお金を増やせるのかについて、参議院調査情報担当室に試算してもらった。赤ちゃんからお年寄りまで、生きていることを条件に皆さん1人当り毎月10万円を配ったとする。これを1年間おこなうと、144兆円かかる。では、144兆円の国債で通貨発行をおこなった場合、インフレ率はどこまで行くだろうか。1年目1・2%、2年目1・4%。144兆円の財源をすべて国債発行で担ったとしても、ハイパーインフレどころかインフレ率二%にも達しない。だったら今すぐ出すべきだ。これを政府にやってもらっては困るという人はいるだろうか。

 

 政府の借金とは、社会にどれだけのお金を供給してきたかという足跡でしかない。これは世界の常識だ。だから世界は今、コロナ前よりも景気が上がっている。これが国のやるべき仕事だ。一方で日本はお金を増やし投資もできるのに大胆なことをやっていない。それどころか2020年度の補正予算を30兆円も余らせた。つまりは30兆円分で救うことができたはずの事業者や生活苦に陥る人たちを支えなかった。

 

 「自分はコロナの影響も、25年のデフレの影響も受けていない」。そういう勝ち組といわれる方々、あなたはいつまで勝ち続けられるだろうか? 日本の社会はひとつに繋がっている。お金を使える人が減り、仕事を失う人が増えれば当然、社会に回るお金は減る。今は大丈夫だという人でも、この先遅かれ早かれ影響はやってくる。だからこそ25年のデフレから脱却するために、そしてこのコロナの大不況を防ぐために、徹底的にお金を出していくという政策が必要だ。

 

 その政策を実現させるチャンスが今回の衆議院選挙だ。困っている人や傾いている人を自己責任で切り捨て、この緊急時にそれを淘汰と呼んで、「これが市場原理だ」と宣(のたま)うような奴らを、政治の先頭に立たせるわけにはいかない。「何があっても心配するな。そのような国を私は作りたい。何があっても心配しなくていい。何かあるときには国が必ず手を差し伸べる」。私自身がその国の住人になりたい。だったら作るしかない。

 

25年で所得は108万円減

 

 消費税を廃止するために必要な費用26兆円。教育費を大学院まで無償化するのに必要な費用4兆円。奨学金の債務によって首が絞まっている580万人分をチャラにするための費用9兆円。子ども手当をひと月あたり倍の3万円にするための費用4・5兆円。すべて片っ端からやるべきだ。

 

 ひと握りの大企業、資本家のために皆さんが搾取された25年、それによって企業は過去最高益をあげ続けてきた。一方で皆さんの所得は減り、削られ続けた。「最近の若者は車に乗らない、お酒も飲まない、あんまり遊ばない」といわれるがそれは本当か? お金があったら、賃金が高かったら変わるのではないか? この25年間でみなさんの所得の中央値は108万円も下がっている。働き方は非正規にされて、半年後の自分、1年後のイメージも湧かないような働き方を積み重ねていく。いつ首を切られるか分からないというなかで、何か新しいチャレンジなんてできない。夢なんて見られない。大胆な一歩なんて踏み出せない。

 

 一方で2019年、大企業の経常利益は3倍、株主配当は6倍にまで膨らんでいる。1997年から2018年までの間、企業の売り上げはほとんど上がっていないのにだ。つまりみなさんから削られたものが株主にすべて持って行かれている。明らかにこれは政治で作られた構造だ。国会に送り込まなければならないのは資本家や大企業の手先ではなく、それぞれの当事者の代表として多様性のある人間たちでなければならない。こんなふざけた社会は政治で正すしかない。政治で作られたことは政治で変えられる。山本太郎というミサイルをあなたが国会に向けてどうかぶっ放してほしい。お力を貸してください。

 

 政治が、この国の人々から自信を奪い、この国の企業から、チャレンジするということを奪ってしまった。政治によって人為的に作られたこの破壊行為によって、一部の者たちだけに利益を還元し、みんなが貧しくなっていく。その社会の権力を握り続けてきたのは誰だ。どこの政党? 自民党だ。1989年辺りまでは「ジャパン・アズ・ナンバーワン」といわれていたのに、2019年には全世界のなかでも非常に小さなGDPになった。この衰退こそが、政治を運営し続けている者たちがマヌケだという証拠だ。それ以外に理由があったら教えてほしい。

 

 50%の人たちが、おそらくこんな体たらくな政治と自分が関わり合っているとは思いたくないと嫌気がさし、政治から手を離した。そればかりでなく、目の前の生活だけで精いっぱいで政治に心を寄せ、考えるほど余裕がない。そうやって政治から人々の心が離れていった。だがそれによってさらに権力をコントロールし続ける者たちは自由にできるようになってしまった。

 

 こうした状況を作り出したのは政治。それを変えられるのも政治。何十年も放置し続けてきた政治だから、一回の政権交代ではいきなりガラっとは変わらない。これから何度も政権交代をくり返していきながら、生きていてよかったと思える国をみんなで作っていきたい。そこに人生をかけたいと思って、自分のやってた仕事を横に置いて立候補している。

 

国壊した消費税は廃止

 

 「消費税廃止なんてことをしたら、私たちの年金がなくなるのではないか?」と思う人もいるかもしれないが、とんでもない。消費税をなくしたところで、あなたの年金が削られるなんて話にはならない。「年金が削られないのなら、他の社会保障に何かしら影響があるんじゃないか?」と心配された人、それは勘違いだ。なぜならもともと皆さんが払ってきた消費税収は、社会保障の一部にしか使われていないからだ。そのほとんどは何に使われているかというと、大企業に対する減税、金持ちに対する減税、その穴埋めのために使われている。

 

 

 消費税導入以前の1989年におこなわれた直間比率の是正についての議論を見ればそのことがわかる。「直間」とは、「直接」と「間接」のことであり、直接税は、法人税や所得税。間接税とは要するに消費税。つまり「所得税を下げる代わりに間接税(消費税)を導入しよう」という話であり、もともと消費税を導入して金持ちや大企業に対して減税をおこなうという狙いがあったことは明らかだ。その結果、1989年から2016年までの間に法人税が減税された分の穴埋めとして、消費税収の約73%が使われていたという計算になる。こんなもの、私は許せない。何が社会保障のためだ。

 

 誰のための政治なのか。皆さんのためにおこなわれない政治ならこの国に国会なんて必要ない。自助や共助ばかりを求め続ける政治はいらない。皆さんに対しては自助や共助を強調する一方で、自分たちは税金から給料をもらうなんて矛盾している。国会議員がまず考えなければならないことは、この社会のなかで公助を最大化させたうえで、どうすれば皆さんに対して底上げができるのかということだ。この国のなかで貧困をなくし、不平等を是正していくために、国が徹底的にかずかずの施策を打たなければならない。そういった人でなければ国会にいてもらっては困る。

 

 消費税を廃止することができれば、あなたの手元に使えるお金が残る。例えば1カ月約20万円支出する家庭では、1年間で消費税が約20万円とられていることになる。消費税がなくなればその20万円が手元に残る。手元に残ったお金をあなたはすべて貯金するだろうか? 多くの人は少しでも使う。その消費は誰かの所得として社会に回っていく。これまでの25年で失われてきたのは需要だ。だからこそ国が、あなたが使えるお金を増やすという状況を作り出すことが一番重要だ。

 

 消費税をやめた5年後には、1人当りの賃金も上がる。参議院調査情報担当室の調査によると、消費税をやめた5年後、1人当り賃金は年間約29万円上がる。12カ月で割ったら毎月2万数千円増える。そして、誰よりもこの消費税廃止によって助かるのは中小企業だ。中小企業にとって消費税は赤字でも払わなければならない。消費税が上がったからといって価格に転嫁できず自分たちで負担を被っている中小企業はたくさんある。この国の税滞納のうちの6割を消費税が占めているのだから、もう消費税自体、税制としてぶっ壊れている。

 

 この国を壊してきたひとつの税制が消費税、これをやめたい。しかしもう少し時間が必要だ。だからその手前で一度、消費税5%への減税を挟み込みさせていただきたい。この衆議院選挙では、野党の共闘によって野党側が多数派をとれば消費税を5%に減税することが約束されている。もう目の前まで来ている。消費税を5%に減税し、コロナ対策は徹底、そして困っている事業者、生活者に対してしっかりと手当てをしていけるような政治に代わるまず第一段階として、これを今年の秋に実現したい。力を貸してください。消費税が5%になったその先には、私たちれいわ新選組が消費税廃止まで持っていく。力を貸してください。

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