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現実味増す「食糧危機」に備える対策を れいわ新選組・山本太郎が動画で発信

 れいわ新選組の山本太郎代表は23日、国連が発した「食糧危機」の警告に関してYouTubeで動画を配信した。新型コロナ危機下で起きている各国の食料輸出規制、食料品価格の高騰などの動向とともに、食料自給率が4割に満たないにもかかわらず食料供給保護の対策があまりに貧弱な日本の現状を指摘し、大胆な財政措置を講じることを提言した。現在、感染症対策に必須のマスクですら生産の8割を中国に依存し、供給不足に陥るなかで、その大半を輸入に頼っている食料の不足は、より国民の生存を脅かす重大な問題として浮上している。以下、山本氏の配信内容を紹介する。

 

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【国連が「食糧危機」を警告】れいわ新選組代表 山本太郎 4月23日(クリックでyoutubeへ)

 英紙ガーディアンが「国連が『食糧危機』を警告、保護主義的政策と労働者不足で数週間以内に危機到来」の見出しで報じたところによると、3月27日にはじめて国連が食糧危機について警告した。新型コロナによる「農場労働者の不足や輸出を禁止した各国政府の措置によって、今後数週間で食料不足があらわれる可能性がある」と国連の食糧農業機関のチーフエコノミストが警告した。


 さらに4月2日、国連専門機関の食糧農業機関(FAO)、世界保健機関(WHO)、世界貿易機関(WTO)の3機関トップが連名で、世界に向け警告を発した。


 内容は「現在進行中の新型コロナウイルス危機に各国当局が適切に対応できなければ、世界的な食料不足が発生する恐れがある」というものだ。


 すでに世界の多くの政府がウイルス拡散を遅らせるためロックダウン(都市封鎖)に踏み切ったが、これによって国際貿易と食料品のサプライチェーン(供給連鎖)に深刻な影響が出ている。


 「これは根拠のない脅しではない。2007年の世界金融危機には、コメの生産国であるインドとベトナムがコメの国内価格の上昇を避けようと輸出を規制した結果、コメの国際価格が急騰して一部の発展途上国で暴動が起きた」(AFP通信)


 「より長期的には、封鎖命令と人の移動制限によって農業労働者の確保や食料品の市場への出荷が不可能になり、農業生産が混乱するリスクがある。速やかに打開策を見出さない限り、米国ではメキシコからの季節的労働者の不足で多くの作物の生産がリスクにさらされる。西欧でも、北アフリカと東欧からの労働者の不在により、同様の結果を招きかねない」(同)とある。


 FAOのシニアエコノミストは「この危機は始まったばかりだ」と話し、より深刻なのは生産よりもむしろ輸送やロジスティックス(供給体制全般)の問題であるとの見方を示している。
 3機関の事務局長らは、食料品のサプライチェーンに直接かかわる人と、それ以外の人両方の健康を守り、食料品のサプライチェーンを維持するうえで、食料の生産・加工・流通に携わる労働者を保護する必要性を強調している。


 なぜならイタリアやフランスでは、スーパーのレジ係が新型コロナに感染する事例も多発し、一部の労働者は感染予防措置や防護具が不十分だとして職場を放棄。米国でも高級スーパーのホールフーズ・マーケットで職場放棄が起きた。
 生産者だけでなく、輸送や小売りの販売員に至るまでみんなを守らなければならないということだ。

 

米国 買いだめから食品価格上昇

 

 国連警告の以前から、世界で食料品を巡るさまざまな値動きがあった。報道内容を見てみたい。


 「食料品価格は一時、株価下落とともに下落したが、再び上昇に転じている。市場アナリストのレイ・グラバンスキー氏は、食料生産者が予想していたよりも速く食品需要が増加していると語る。肉を備蓄する買い物客は、卸売牛肉価格を記録的な水準に跳ね上げた。また、学校閉鎖にともない、農家は育児と労働を同時におこなわなければならないため、労働環境も悪化している」(3月24日、agriculture.com)。


 「一部の食品価格は消費者による買いだめや、急激なドル高で消費国の輸入価格が上昇したことを背景にすでに上昇している。シカゴの小麦先物は3月に入り6%超の上昇となり、米国の牛肉卸売価格は今週、15年以来の最高値を記録した。卵の価格も上昇した」(3月27日、米紙ブルームバーグ)


 ニューヨーク大学の経済学教授ヌーリエル・ルービニ氏は「食品サプライチェーンの封鎖を解除することが重要だ。例えば、カリフォルニア州には果物や野菜を収穫するのに十分な労働者が必要だ。ウイルスとのたたかいは3カ月から9カ月以上続くが、封鎖した都市にはパンデミックの第二波が襲いかかる可能性が高い。ウイルスが突然変異し、パンデミックの第二波が訪れた時は、高インフレの可能性はさらに高くなる」(3月27日)と、かなり危機感をもった発言をしている。


 米国では、食肉加工場、倉庫、食料品店でコロナウイルスに感染する労働者の数が増加しているため、食料サプライチェーンには緊張の兆しがあらわれている。「業界の労働者が病気になると、消費者の買いだめから始まった食料不足は、選択肢を数週間減らす可能性がある。コロナ禍で数週間はいくつかの製品が不足する可能性があり、小麦粉や卵のような需要の高い主食も供給が減る」(4月13日、NYタイムス)。


 「米国に輸入されるコメ、穀物、豆などの主食は、他国が輸出を制限しているため、突然供給が不足するか、消費者の支払うコストが高くなる」「消費者が食品を自宅で調理して食べるようになったため、食料品の需要が急増。主要な食料品チェーンのクローガーは、3月の売り上げが1カ月で30%増加した」(4月15日、フォーブス)。


 また「失業者の増加により、フードバンクの食料需要が突然40%増加した」「世界最大の豚肉加工業者スミス・フィールド・フードは、従業員の間でコロナウイルス感染が発生したことにより、サウスダコタ州スーフォールズの工場を閉鎖。豚肉の供給不足が懸念される」(同)とある。


 以上、数々の現状を列挙したが、ウイルス危機によって下手をすると食料の国内への供給路が閉ざされる可能性があるということだ。それだけでなく、ウイルスに感染して工場が閉鎖され、国内での生産も難しくなる可能性もあることを示している。

 

欧州 農業労働者が大幅に不足

 

 続いて欧州の食料供給の状況を見てみたい。


 これも国連の警告以前のことだが、WHOコンサルや英国下院の顧問を務めたロンドン市立大学食料政策学教授のティム・ラング氏が「事態はまさに悪化している。われわれはすでに戦後類を見ない課題に直面している。英国は事実上、戦時中規模の食糧危機に直面している」とのべている。


 さらに「私たちは容易に崩壊する恐れのある非常に脆弱なお手軽サプライチェーンに依存している。食料の50%しか生産せず、残りは輸入品に頼っている」「驚異的な所得と資産の格差があるために、(価格高騰により)食料品へのアクセスにも格差の影響が出る」(3月22日、ガーディアン)と警鐘を鳴らしている。


 英フィナンシャルタイムズ紙の記事『ヨーロッパから収穫労働者が消える』によると、「ドイツ、イギリス、フランスは、学生やサービス業などの休業した産業や失業者を農場に募集しようと奮闘しているが、この災害は、農業界に雇用の新しい道を確立する余地をほとんど残さない。コロナウイルスの発生により国外旅行が禁止され、年間数十万人の季節労働者の流入が止まった」という。


 国外から働きに来ていた農業労働者が動けなくなり、食料不足が懸念されるため、欧州各国では3月末から農業労働者の大募集を始めている。


 同記事では、チャタムハウス(王立国際問題研究所)の研究員が「物流サプライチェーン分野に大幅な労働力不足が見られる。移民労働者不足になると供給不足が起こる」と警告。フランスの農民組合FNSEAによると、ロワール渓谷の農作業には、フランスだけでも今後3カ月で20万人の労働者が必要であり、収穫期全体で約80万人が必要となる。その3分の2を海外労働者に依存している状況だ。ドイツでも年間30万人の東ヨーロッパの季節労働者に依存し、英国も8万人もの海外からの労働力に頼っている。


 ところが欧州のシェンゲン協定圏(検査なしの国境移動が可能)では、新型コロナ対策として非加盟国からの入域を30日間禁止した。各国が国境を封鎖し、ドイツでは季節労働者の入国を禁止し、失業者に農場で働くことを呼びかけている。フランス農相も失業者に農場労働を求めている。


 とにかく各国が、3月のうちに農業など食料生産にかかわる労働者を集めるための緊急施策を打っている。食料供給を止めないためには、いま働けない状況にある労働力を集め、労働力不足が深刻な食料生産地に移転しなければならないからだ。


 フランス失業庁は、農家と失業者をマッチングするウェブサイトを作成し、英国政府はパンデミックのなかで農場労働者を「主要労働者」と宣言し、農業組合との連絡を強化している。

 

日本は大丈夫か 外国人実習生来れず

 

田植え作業(山口県)

 日本も例外ではない。欧州と同じ状況になることが懸念される。


 江藤農水大臣は14日、新型コロナ感染拡大にともなう入国制限などで、国内で農水産業に携わる外国人技能実習生約2200人の来日のめどがたたないことを発表。農業分野で1900人、水産業では300人だ。


 北海道では約8000人の実習生が食の現場を支えている。JAなよろ(名寄市)では中国各地から実習生50人を四月に受け入れてカボチャの栽培農家などで7カ月間過ごす予定だったが、新型コロナの水際対策で中韓両国で発行したビザを一旦無効にしたため、来日のめどがたたなくなった。


 国内でもっとも実習生を受け入れている茨城県では、大地事業協同組合が「ビザが発給してもらえず、15~16人の中国人技能実習生が来日できない」(代表理事)といい、技能実習での滞在機関は最長3年なので「切り替え時期に困っている」と話している。


 栃木県開拓農業組合(那須塩原市)でも3~5月に実習生43人の受け入れを予定していたが、インドネシアからの3人しか入国できていない。ホウレンソウの作付け時期は春であり、「夏場に来てもらっても仕事がない。作付面積を減らす必要があるかもしれない」とのべている。


 そんな悲鳴がたくさん聞こえているが、日本は大丈夫なのか?
 政府やマスコミは「食料品の供給が足りなくなることはない」と喧伝しているが、実際はどうか。


 日本における食糧の年間消費量(1人あたり)を比較すると、お米が53・8㌔㌘、小麦が32・4㌔㌘だ。小麦はパンや麺類など幅広く使用されている。小麦の生産は、中国が1億3200万㌧、インドが1億219万㌧に対して、日本は76万8000㌧にすぎない。日本国内で流通する小麦の87%が輸入であり、国内生産はわずか13%。輸入先では米国が53・4%、カナダが26・9%。オーストラリアが18・2%(2017年度)だ。


 政府は「備蓄があるから大丈夫」というが、輸入小麦の備蓄量は2・3カ月(70日)分しかない。海外から入ってこなければたいへんなことになる。米シカゴの穀物相場は3月に入ってすでに6%も上昇しており、この先さらに上昇すれば日本にも影響してくる。


 すでにロシアやカザフスタンは小麦の輸出を規制し、米国も規制に踏み切る可能性がある。中国などもコメなど穀物の確保に動いている。


 日本の小麦輸入量の18%を占めるオーストラリアの国内事情を見ると、国境閉鎖、移動制限、海運・航空業界の混乱によって、食料生産と物資輸送を国際的に継続することが困難になった。


 オーストラリアは農産物の約3分の2を輸出しているが、航空業界はパンデミックによって大打撃を受け、国際線を大幅に削減し、輸送費も高騰した。豪政府は1億1000万豪㌦を費やしてフライト数を増やし、輸出業者による主要な国際市場への商品輸送を緊急支援すると発表している。


 輸送費が高騰すれば、当然それは食料品の価格に転嫁される。輸入小麦の18%を依存している日本では、小麦価格の高騰が他の食品にまで影響を与えると予測できる。


 中国で発生した豚コレラの例を見ると、昨年11月、豚肉価格は前年同月比2倍になり、これだけでCPI(消費者物価指数)を2・43㌽押し上げた。アフリカ豚コレラのまん延で豚の飼育頭数が大幅に減り、需給が逼迫したからだ。


 豚肉の代替として需要が高まった牛肉は20%、羊肉は16%も価格が上がり、食料価格全体が11%上がった。結果、中国の物価全体を3・8%も押し上げた。


 食料の供給体制が万全であるはずの中国であっても、ひとたび豚コレラのような疫病が起こっただけで、供給能力が毀損され、その影響が「インフレ率の上昇」という形で国民生活を脅かした。


 今回の新型コロナでも食料品価格が高騰する兆しがあらわれている。
 主要な小麦粉輸出国であるカザフスタンは3月、ニンジン、砂糖、ジャガイモに加え、小麦粉の輸出を停止した。セルビアもひまわり油などの輸出を禁止。世界第3位のコメ輸出国であるベトナムはコメの輸出契約を一時的に停止した(3月27日、ブルームバーグ)。


 「世界最大の小麦輸出国であるロシアも小麦や他の穀物の輸出制限を予定し、規制を政治的材料にするかもしれない。ドナルド・トランプの他の商品の貿易戦争に対する熱意を考えると、米国の立場も疑わしい。ウクライナも小麦の輸出制限に乗り出すかもしれない」(同)との報道もある。

 つまり、どの国もまずは自国の食料を確保しなければならず、さらに食料輸出を政治的交渉のカードに使う可能性もあるということだ。


 さらに「世界最大のコメ生産国である中国は政府によるコメの購入量を過去最高水準まで引き上げると発表。主要な小麦の輸入国であるアルジェリアとトルコは主食確保のため、小麦の国際入札の実施を発表したほか、モロッコは六月中旬まで小麦の輸入関税を凍結することを決めた」(3月27日、ブルームバーグ)。

 

世界でも突出して低い食糧自給率

 

 このような危機に、政府はどのように対応すべきなのか。日本と米国で比較してみたい。


 日米の食糧自給率(カロリーベース)を見ると、米国は130%、日本は37%だ。米国は自国の消費量を満たす量だけでなく、輸出用に余分に生産している。一方、日本は食料供給を他国に握られているということだ。


 米国政府は、今回の新型コロナ危機に対する「景気対策パッケージ」として2・2兆㌦(約240兆円)の予算を付けた。これは米国史上最大の財政政策であり、1933年のニューディールでの8000億㌦(約86兆円)、2008年のリーマン・ショックに端を発した金融危機での1兆㌦(約107兆円)を優に凌ぐ規模だ。

 

 この景気対策パッケージのなかには、「世帯向け支援」として、農業・食糧供給・住宅補償部門への支援に345億~550億㌦が盛り込まれている。


 また、農民、牧場主のための救済金として240億㌦(約2・6兆円)を計上している。「食料生産者が倒れたら、国が終わってしまう」という認識が基本にあるからだ。このうちUSDA(米農務省)が農場経済の安定化に使用する裁量権を持つ金融機関を介して農業支援金140億㌦(1・5兆円)、農場主や牧場主の穀物や野菜、家畜や乳製品の安定供給を支援するための95億㌦(1兆円)が含まれる。


 加えて、フードスタンプ・プログラム受給者(低所得者)に155億~166億㌦(約1・7兆円)、個人および各世帯への緊急の食糧と避難所を提供するプログラムに2億㌦(215億円)、休校中の子どもたちの食事を支援する児童栄養プログラムへの88億~90億㌦(9600億円)の資金提供など、あわせて約250億㌦(2・7兆円)の予算を食糧援助に振り向けることも決定している。


 つまり、米国は食料供給が不足すると予測している。だから予算を充てて苦境にある生産者を支え、力強く食料生産を促し、収穫量すべてを国が買いとり、必要なところに振り分けることを政府主導でやっている。


 米国の2・2兆㌦支出法には「農産物供給を守るための予算」の項目がある。つまり供給支援しなければ食料品が不足する可能性が高い。不足の前に物価上昇を招く。特に食糧自給率四割以下の日本ではなおさらだ。


 では、日本の対応はどうなっているか? コロナ対策を含む今年度補正予算の概要を確認する。


 農水省が出した「農林水産関係補正予算の概要」をみると、総額はたったの5448億円。米国の緊急対策と比べても、5割以上の食料を輸入に頼っている国とは思えない軽薄な措置だ。足りるわけがない。


 しかも内訳を見ると、「販売促進、飲食業の需要喚起」に1400億円、いわゆる“GoTo”キャンペーン(1兆6794億円)による飲食業の需要喚起など、コロナ収束後の経済対策がかなりの割合を占めている。いま助けを必要としている生産者を支えるものではない。


 さらに「資金繰りの確保」として298億円をつけているが、「お金を貸してあげるよ」という融資だけのもの。「在庫余剰の対策」として、原木・水産関係に42億円、畜産・酪農関係に450億円とあるが、これも「つくりすぎて余ってしまった」という状況への対応だ。これから心配される食料不足に対応するものではない。発想が真逆なのだ。他にも「納付猶予」も盛り込んだが、これは支払いを先延ばしするだけだ。


 食料供給網の強化にかかわる部分は、わずか800億円あまりしか予算が付いていない。対策のほとんどが、コロナ危機を脱した後の販売促進や輸出支援にかかわる対策、融資や信用保証、そして「需要減による価格下落に対する対策」となっている。供給減、需要増、価格高騰へ助成金を投じるという対策はほとんどない。


 結果、融資や需要減対策等を除いた助成事業に限ると、予算はわずか200・4億円だ。お金の割り振り方を間違っているというほかない。


 もう一つ不足が懸念されているのが労働力だ。実習生不足をどのように補うのか。

 


 これまでの農業における外国人労働者の推移【グラフ参照】を見ると、毎年およそ4000人前後が入ってきている。それが新型コロナで入国できなくなり、春に来る予定だった2200人が入れなくなった。


 これに対して農水省が付けた予算はわずか46億円。その一部「人材確保支援事業」で、人材募集のインセンティブとして時給に最大500円上乗せするとした。でも、技能実習生の平均月収はだいたい12万~13万円程度だ。時給に500円上乗せしても月収は20万円ちょっとだ。諸々の経費を差し引かれたら20万円を切り、ワーキングプアだ。なぜここに大胆に投資できないのか。職を失った人たちに「農業をやってくれたらこれだけのお金が手に入ります。危険手当も付けます!」というくらいの特典を付けて呼び込まなければ食料生産は担保できない。今やらなくていつやるのか。本気の対策が必要だ。

 

最悪の事態に備えて 国民を救う財政措置を

 

 本気の対策とはなにか。


 米国のジェームズ・ガルブレイズ教授(ケネディ元大統領の経済顧問の子息)は、レポート「米国がコロナウイルスに打ち勝つ方法」(3月23日、朴勝俊・関西学院大学教授翻訳)で、食料供給の危機について警告している。


 「グローバル化によるサプライチェーンの海外依存が進み、危機に貧弱な社会になった。中国・インドのサプライ停止と、国内の供給停滞が重なれば、高インフレになり低所得者が見捨てられる」「戦時中におこなったように供給リソースの配分(配給制も求められるかもしれない)」「2・2兆㌦の支援策で決まったようにFRB(連邦準備理事会)は病院やサプライ企業の債券を買う必要がある」「供給不足になったら政府が強権的に統制する他ない」という指摘だ。


 同レポートで示された提案を概略すると、


▼労働力の移動
 コロナ恐慌の影響で休業や失業を余儀なくされた観光やサービス、イベント業などの遊休労働力を、農業や食品生産等の食料供給を支える業界に移動する。


▼公共による雇用
 政府が生活賃金以上で、手当てもつけて遊休労働力を雇用する。


▼政府による供給コントロール
 最悪の場合は、足りなくなった生産物を強制的に配分するために、政府が強権的に配給制度にするしかない。
 というものだ。


 緊急を要するときには配給制度まで考えておかなければならないが、農水省の予算付けを見る限り、その危機意識は感じられない。最悪の事態に備えることが必要だ。


 FAOなど3機関の提言でも、貿易サプライチェーンの保護、労働者の保護、消費者(特に最も脆弱な)への供給路の確保、食料に関する情報の入手、政府がフードバンクを動員し、現金給付、非常食の確保、農業労働者を保護する措置を講じることで、市民を保護するべきだと訴えている。


 米国では学校閉鎖で影響を受けた農村部の学生に100万食の食事を届けている(米農務省)。また低所得者・児童向けの緊急食糧援助プログラムを開始している。


 欧州では、イギリスの就職活動団体「チャリティ・コンコルディア」が農業労働募集をしたところ、休業中のサービス業・ホテル業などから8000の関心表明を得ている。英政府は農業労働者を「主要労働者」と宣言し、九万人を募集。少なくとも1万人が3つの主要な英国の労働リクルーターによって構成される「フィード・ザ・ネイション・キャンペーン」に参加した。


 フランスでは、農業大臣が失業者に「農業の偉大な軍隊」への参加を呼びかけ、すでに20万人以上が応募している。ドイツでも失業者に農場で働くことを呼びかけている。これらはすべて食糧自給率は70~130%台を維持している国々だだ。自給率40%にも満たない日本はいつになったら本気を出すのだろうか。


 これを実施するために必要なのはカネだ。政策の原資となる真水100兆円の投入は避けられない。27兆円などというケチな規模では話にならない。まずは100兆円でみんなが安定できる状態にし、労働力不足の部門には労働力移転のための手当てを付け、すべての供給サプライチェーンを支えるための財政措置を講じるのが政治の仕事だ。


 そして、コロナの混乱収束が見えてきたころにもう100兆円が必要になると思う。みんなの生活を安定させ、食糧危機への不安を払拭する安心できる未来を志向した政策が求められる。やる気がないのならバッチを返上するべきだと思う。私たちにやらせて貰いたい。

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この記事へのコメント

  1. 小原伸子 says:

    れいわ新選組山本代表の緊急提言を文字起こしをしていただき、ありがとうございます! 
     堤未果(国際ジャーナリスト)さんも「これから食糧危機が日本を襲う」と警告しています。そんなことが起こるのなら、我が家は大型冷蔵庫に買い替えるべきか、それとも冷凍庫を買うべきか、コメの備蓄をしておかなくては・・・など愚かな主婦丸出しで、頭を巡らせておりました。そんな浅はかな知恵で乗り越えることなどできない規模の食糧危機であること、山本代表の提言でよく分かりました。
     それぞれの国は、自国の国民を守るために、食糧の輸出停止をしたり、食糧を増産するためにコロナ禍で失業した若者を魅力的な条件で農業に誘い込む努力をするなど、政府がやれることは何でもやっているとのこと。日本は、国民のためには指一本動かさない、一円たりとも使わない、頭も使わない(元々頭が悪い政治家ばっかだけど)、自分のお仲間と大企業とアメリカのためには頭と税金は最大限使うのですが。
     政府は、いったい何のために誰のためにあるのでしょうか? 国民のために何もしないのなら、バッジをはずしてください!
     日本の庶民は確実に飢え、食料の奪い合いになりますね。
     ネット上では、橋下総理待望論が 意図的にはやし立てられています。テレビの各局も、橋下を登場させています。維新が国民を守ることなどあり得ません。自民党の別働隊ですから。公務員叩きが一発芸で、威勢のいいことばかり(ウソばっかり)言う政党です。
     れいわを強く大きく! それしかありません。
     

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