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れいわ新選組 愛知と大阪で第1次公認候補予定者を発表

 れいわ新選組は21日までに、次期衆議院選の第一次公認予定候補者として愛知10区に安井美沙子氏(元参議院議員)、大阪5区に大石晃子氏(元大阪府職員)を擁立することを発表した。記者会見での候補者の発言要旨を紹介する。

 

◇愛知10区 安井美沙子


 私は2010年から一期6年間、参議院議員を務めた後、2017年に愛知10区から衆院選に挑んだが小選挙区、比例東海ブロックともに次点に終わった。その後も捲土重来を期して無所属での活動を続け、今回れいわ新選組の候補者公募に手を挙げた。


 愛知で政治活動をはじめて10年になる。私は高度成長期に生まれ育ち、バブル期、「ジャパンアズナンバーワン」といわれる日本が豊かな時期を過ごし、日本の将来に不安を感じたことがなかった。だが、自分が親になったときには様変わりをしていた。年越し派遣村の映像を見たときには「これが日本なのか」とショックを受けた。現役世代の責任として、子どもたちに不安を引き継いではいけないという思いで政治の世界に飛び込んだ。


 民主党が進めた「社会保障と税の一体改革」は、将来世代にツケを回さないためには消費税増税もやむを得ぬというものだったが、減税研究会で勉強を重ねるうちに社会保障の財源を必ずしも消費税に求めなくてもよいと気付いた。むしろ社会保障は所得の再分配を目指すものである以上、薄く広く負担を強い、逆進性の強い消費税に財源を求めることはおかしいという思いに至った。デフレの20年間に何度も消費税を増税したことは経済政策としても間違っている。これは直近のGDPのデータにもあらわれている。


 衆議院議員として女性の応援団長になり、女性たちの障害になっている制度を変えていきたい。日本は女性の国会議員が一割しかおらず、女性の声が国政に反映されない。多くの女性はこの不条理を受け入れているが、その願いを声に出して政治を変えていかなければ日本はよくならない。私も仕事と子育てを両立するためにパニック障害になり、子どもの健康上の問題で何度も会社を早退した経験がある。病院では「あなたはそんなに仕事がしたいのか」と説教をされ、罪悪感を感じながら仕事をしてきた。


 例えば配偶者控除は、専業主婦が当たり前だった時代のものだ。いまは共働きが六割をこえており、仕事がしたくても介護や子育てで離職せざるを得なかったり、負担をしながら両立して働いている女性たちもいる。女性のなかに対立を生むようなこのアンフェアな制度を廃止し、必要な社会保障制度は別の形でサービスを国が提供するべきだ。


 また離婚した親たちの経済的な苦しさが増しており、子どもたちが十分な教育やサポートを受けられていない実態もある。片親世帯の養育費を国や自治体が肩代わりで給付する制度も整えたい。女性に優しい国づくりは、子どもや男性にとっても生きやすい国になる。それが日本の経済の息を吹き返すと考えている。

 

◇大阪5区 大石あきこ


 私は1年前までの16年間、大阪府庁で公務員として働いていた。12年前の2008年に橋下徹府知事が就任した最初の朝礼で、作業服で立ち上がって「どれだけサービス残業してると思ってるんですか?」と抗議したことで多くの人に知られるようになった。


 れいわ新選組に参戦したい理由は二つある。


 一つ目は、働く現場に光を当てたい。私は2002年に大阪府庁に入り、現場の仕事で専門知識や技術を磨いて府民のために働く人たちをたくさん見てきた。その姿を見て自分の甘い意識を改め、私なりに真面目に働いてきた。また、民間の苦しい現場の状況もたくさんの人から聞き、今社会を回しているのは現場で働く人たちだという思いを強くしている。


 例えば、今全国で新型コロナが大問題になっているが、この感染拡大を止めるために自治体には保健所と衛生研究所が連携したものとして存在している。ウイルスの研究や感染ルートの特定など、地道な一つ一つの仕事があって感染拡大を防ぐことができる。だが、大阪府庁では2005年頃からの議論で「無駄なものだ」と節約対象にされてしまい、当時の橋下府知事も「検査は単純作業であり、外部に民営化してもできる」といい、3年前に全国で唯一、府市にそれぞれあった衛生研究所を一つに減らして民営化した。橋下さんは常に「一般職員にはわからない」といわれるが、どこでも現場を回している人たちの専門性や技術を拾い上げていかなければ、これから起きる危機に対処はできない。社会を回しているのに軽んじられ、非正規など真っ当な雇用状態にない人たちがまともに生活できる収入に変え、その技術や専門性がより生かされるような社会に変えていきたい。


 二つ目は、すべての人たちが生きていたいと思える社会に変える。現在はそうではなく、人によって理由はさまざまだが共通してお金と時間に余裕がない。そして勝手な生産性で人間を評価され、孤立バラバラにされている。誰もがお金と時間に余裕を持ち、生産性で判断されない社会をみんなの力で実現させたい。とくに深刻な介護の人材不足を解消するために、利用者に負担させない形で、常勤換算で一カ月8万円の賃上げを実現させる。年間2兆円が必要になるが、国が財政出動をおこなうなら可能だ。


 私が橋下府知事に抗議した当時は「橋下フィーバー」の時代であり、公務員はもれなくシロアリ扱いされた。だが、「公務員は特権階級」といいながら、富裕層がより金持ちになるルールをつくり、非正規雇用の増大は問題にせず、そのように同じ働く人たちを分断して攻撃することは社会全体にとって絶対によくないものだ。


 自分の身の丈から考えると、なんらかの奇跡を起こさなければ勝利できない状態にはあるが、誰かが何かをやらなければ都構想やカジノといったマイナスの遺産が進められ、全国にその苦しみを広げることになる。本気を出して小選挙区での勝利を目指したい。

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