いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

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血圧の上がる月曜日

 65歳以上の高齢者を対象にしたワクチン接種が始まったものの、下関市内では高齢者の多くが受付すらできず、予約受付日の月曜日がくる度にみんなが電話がけに必死になって、「どうなってるんだ!」「前田晋太郎(市長)は何をチンタラしているのか!」とカンカンに怒っている。何度電話をかけてもつながらず、「現在たいへん混みあっております」のアナウンスが延々と返ってくるだけだからだ。まるで門前払いされているような気持ちになるのだという。そうして既に4回目の月曜日が過ぎていった。

 

 いつになったら受付できるのか…という先行きの見えない不安や、どうしてもっとスムーズに流せないのかという不満で、街のお年寄りたちの血圧は上昇気味である。せめて、いつ打てるのかだけでもわかればこの不安は解消されるだろうに、市長及び役所はなぜこのような状態を放置しているのだろうかと思う。自治体としてのこのような動きの鈍さは、最終的にはリーダーシップを発揮すべき市長の鈍さという評価にも直結するわけで、「オイ、前田晋太郎! 自分だけワクチン打ってないでどうにかしろよ!」と街の皆さんはおおいに話題にしているのである。

 

 当初、JTBが受注した集団接種の電話受付の業務は、20台分で対応していたという。その後、3台増やして23台体制にしたようだが、前述のようにいつまでたってもつながらない状態は解消されていない。およそ1カ月を浪費したようなものである。20台すなわち20人で対応できないのなら40台体制にするなり60台体制にするなり、多少のカネがかかっても対応するべきで、9万5000人の対象者の予約をうまくさばくための能動的な変化がいる。前代未聞のコロナ禍及びワクチン接種という局面で、カチコチの石頭になるのではなく、現実に見合っていないのであれば大胆に体制を変化させていくことが必要だろう。「できない」を放置する怠け者ではなく、「できるようにどうするか」を全力で考え抜く賢さが求められているといえる。

 

 下関は大都市でもないが一定程度の人口規模を抱えた中核都市であり、なおかつ旧豊浦郡四町のような農漁村地帯も抱えているという特質がある。診療機関の少ない旧四町などは、例えば豊北町を見ても漁村や農村などの集落点在型であり、それぞれの地域で暮らしている高齢者の数は限られる。それらの人々をわざわざ旧市内の市立体育館での集団接種に呼び寄せるのはどう見ても非効率だ。であるならば、「○日は角島の高齢者」「○日は滝部」といったように、それぞれ点在した集落ごとに接種日をアナウンスして、プチ集団接種で巡回していく方がはるかに効率的だ。場所としては廃校になった旧小学校の体育館を利用することも可能だろう。交通の便が悪い住民に対して「自分で来なさい」ではなく、出向いていくような体制をつくる方が喜ばれる。それなら、自治会や民生委員、農協や漁協も協力しやすいはずだ。

 

 旧市街地に暮らしている高齢者はどうするか。市立体育館と海峡メッセの2カ所だけで集団接種がおぼつかないのなら、小学校単位、あるいは中学校単位といったように地域コミュニティ単位で土日の集団接種体制を構築するとか、これまたもっと暮らしに入り込んだ具体的な体制をつくる方が能動的ではなかろうか。かかりつけ医をもたない予約難民も多いのだから、それこそ災害時の避難単位とも重なる地域ごとに自治会や町内会とタッグを組んで進めるなり、やり方はさまざまあるだろう。問題は集団接種をこなせる医者や看護師といった人材確保だろうが、十分な特別手当をつけるなりしてこの街の医療従事者の皆さんに頑張って欲しい! とお願いすれば、「まかせとけ!」と応えてくれるお医者さんや看護師さんはいると思う。

 

 電話すらつながらない状態がもう1カ月続けば、「どうなってんだ!」のボルテージはますます高まるだろうし、首長や自治体によって明暗が分かれている折り、それは必然的に「前田晋太郎ってポンコツじゃないか」になるのである。この際、安倍派でも林派でもどうでもいいから、この街で暮らしているみんなのために働け! 頭を動かせ! と思う。     吉田充春

 

※このコラムは6月4日付紙面にて掲載されたものです。前田市長は7日の記者会見にて、予約受付の電話を23台から40台体制(6月22日以降)に拡充することを発表した。

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