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「アビガン」が世界を救うかも

 中国の武漢市を震源地にした新型コロナウイルスの感染拡大に世界中が震撼している。日本でも横浜港に停泊したダイヤモンドプリンセス号の集団感染が連日のように取り沙汰され、政府対応のまずさも含めてみなが固唾を呑んでなりゆきを見守ってきた。新型であるだけに、このウイルスがどのような特徴をもっており、どのような治療薬が有効なのかもわかっておらず、それ自体恐怖である。しかし、一方で目下、中国をはじめとした各国の研究機関が猛烈な勢いでワクチン開発や研究を進め、封じ込めに力を注いでいるなかで、既存の治療薬のなかにも有効なのではないか? と医療研究者たちが注目しているものがあるのだという。

 

 富士フイルム富山化学が富山大学と共同で開発した「ファビピラビル」という薬があり、それは2014年に富士フイルム富山化学の前身で富山市に研究生産拠点を置いていた富山化学工業と、当時富山大学医学部に勤務していた白木公康教授(現在は千里金蘭大学副学長)が共同研究して開発した薬「アビガン」に含まれている成分なのだという。中国政府は新型コロナウイルス対策として富士フイルム富山化学のインフルエンザ治療薬「アビガン」に含まれる有効成分を使った薬の生産を始めたことや、臨床試験をおこなった結果、副作用が少なく効果が高いこともわかっていると公表している。

 

 アビガンが脚光を浴びたのは鳥インフルエンザが蔓延したときで、その後もエボラ出血熱を発症した患者に投与したところ完治したり回復に向かったことなども世界的には知られている。これまでの抗インフルエンザ薬は、体内で増殖するウイルスを細胞内に閉じ込め、感染の拡大を防ぐ効果があるのに対して、アビガンはウイルスの増殖そのものを抑え込み、ウイルスの薬に対する耐性もできにくいという特徴を持ち、インフルエンザのみならず多くのウイルスで効果が期待できるという。

 

 しかし、日本政府も2014年に備蓄用として製造しているにもかかわらず、今回の新型コロナウイルスでは使用を許可していない。一般的にワクチンの開発には何年も要し、出来上がった頃には重症患者は亡くなってしまい、収束しているといったケースも珍しくない。今回のように一刻を争う場面で、特効薬になりうる治療薬があり、臨床結果で副作用も少なく効果が高いこともわかっているというなら、それこそ専門的知見も踏まえた上で、できるかぎり早く使ってみるというのも手だろうと思う。投与されても死なないなら、投与されずに死ぬよりもマシだろうにと--。仮に有効であると認められた場合、富山の薬売りの遺伝子を引き継ぐ富士フイルム富山化学と白木公康教授の努力が、世界を救うかも知れないのである。白木教授もテレビ番組に出てきて「わたしがつくったアビガンを使ったらいい」と自信のある面持ちでのべていたし、むしろなぜ使わないのだろう? 製薬利権の「封じ込め」にあっているのか?(ウイルスを封じ込めできない者が逆に治療薬を封じ込めているのか?)と不思議でならない。

 

 チンタラしている厚労省の官僚や橋本岳あたりには任せておけないので、ウイルス感染の専門家たちはこうした情報をどんどん発信して欲しいと思う。このような場合、素人は右往左往するしかないし、やはりプロたちの知識、情報が頼りである。 吉田充春

 

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