
関門海峡花火大会の有料エリアのゲート(8月13日、下関市)
下関市の夏の風物詩である関門海峡花火大会が8月13日にあり、今年も多くの人が花火を見ようと集まった。しかし、夜空に上がる美しい花火とは別世界のように、VIP席周辺には刺青の入った人々が集い、過激な格好をして肩や尻にタトゥーの入った女性たちが飲み物を配るなど、異様な空気であったことが市民のなかで話題にされている。
VIP席は30万円 金になればいいか?
かつての関門海峡花火大会は、岸壁エリアも無料で、夕方になると家族連れや市民が海峡沿いに出て来て場所取りをし、間近で花火を眺める「地元の花火大会」の趣が強かった。しかし、近年は県外からも多数の観覧客が訪れるようになっており、花火が見える海峡沿いは囲いが設置されて2000~3000円の有料エリアになっている。住宅地側の海峡沿いにマンションなど高い建物が建ち並んだこともあり、気軽に花火を楽しめる場所は以前より限られている。
そんななか、ここ数年で導入されたのがプレミアム席やVIP席といった高額な特別観覧席だ。今年、岬之町埠頭のメイン会場に設置された指定席は、ボックス席(6人分、イス無し)4万4000円、プレミアムA席(6人分、イス席)7万5000円、プレミアムS席(4人分、イス席)8万円、VIP席(5人分、ソファーセット席)30万円だ。チケットはインターネットやコンビニで限定販売され、30万円のVIP席は5人分×全10席が完売した。
しかし、やぐらを組んで地上2㍍の位置に設置されたVIP席には、夕方ごろから刺青やタトゥーの入った人々が集まってきていたという話で、「反社か半グレ集団みたいな雰囲気で怖いくらいだった」などと市民のなかで話題にされている。そして、「紐パン」とか「きわどい水着」など、表現はさまざまだが、とにかく過激な格好をし、シールかもしれないものの肩や尻にタトゥーの入った女性たちが飲み物を配ったりしていた様子も目撃されている。
この日、午後4時からは、市生涯学習課がコロナ禍で成人式ができなかった2021年の成人を有料の観覧エリアに招待し、代替の成人式を実施していた。総事業費200万円で下関21世紀協会に委託(委託料は非公表とのこと。当初予算額は165万円)して実施したもので、市生涯学習課によると437人が参加したという。そして、地上の観覧エリアには場所取りに来た市民もいた。
VIP席界隈の様子を目にした市民のなかでは「異様な空気だった」「いったいなんの花火大会なのか…」と眉をひそめて語られている。「こんな花火大会ならやめてしまった方がいい」という人すらいる有様だ。そういう世界を楽しみたい人は店に行くなりして室内で楽しめばいい話で、公衆の面前でやることではないというのが一般的な感覚だ。成人式があったため、市長や教育長も参加していたが、その空気に激怒して教育長が早々に席を立って帰って行ったという目撃情報も寄せられている。
下関市と同様に、全国各地の花火大会で高額なVIP席を設置するケースは増えている。協賛金を集めるのに苦心する経済状況であったり、地道に依頼して回る人手の不足だったりと、さまざまな課題が地方都市をとり巻くなかで、手っ取り早く金が入る手法でもあるのだろう。しかし、VIP席やプレミアム席といった高額な指定席チケットを1時間程度の花火のために出す一般人はなかなかいない。主催者側も、チケットをだれが購入するのかは、売れてみなければわからない面があるものの、紋々の入った人々が特等席を占めるような状況が生まれるのであれば、その対応は検討すべきといえる。
なぜ東京からショーガール? 公金投じるイベントに

関門海峡花火大会実行委員会によるROKUSAN ANGELの出演告知
なお、今回の打ち上げ前のイベントについても意見が寄せられている。もともと下関側は、花火打ち上げ前に安倍晋三などの政治家が挨拶し(肯定しているわけではない)、花火の途中には音楽を流さないなど、シンプルな演出が定番だった。だが、今年はDJ KOOやゆうちゃみ、HIIPYなどの芸能人のほか、六本木のショークラブROKUSAN ANGEL(旧バーレスク東京)のショーガールがパフォーマンスをするなど、「とにかく派手だった」と語られている。そのなかで、「そのほかのゲストは喜ばれたにせよ、果たしてROKUSAN ANGELは行政もかかわるイベントにふさわしいのだろうか?」「とても子どもには見せられない」という疑問の声は少なくない。同グループは夜の街のショークラブであり、女性ダンサーたちがきわどい格好でショーをくり広げ、観客が気に入った女性の下着の間にチップを挟む――という過激なパフォーマンスで知られるグループだからだ。昨年2月には屋号変更前の「バーレスク東京」の経営者がダンサーらに違法接待をさせたとして風営法違反で逮捕されてもいる。一昨年、自民党和歌山県連青年局が懇親会に下着のような露出の多い衣装のダンサーを招いた事件を思い起こした市民もいる。
花火大会を主催する下関21世紀協会は、市も出資して設立した財団法人であり、関門海峡花火大会にはボートレース下関が250万円の協賛金を出している。また、下関市も補助金として約900万円の予算を確保しており、精算終了後の繰越金額によっては補助金も支出される予定だ(昨年度の補助金は支出されていない)。
今回のゲストはぎりぎりまでシークレット情報として扱われ、行政側も内容について直前に知ったことがほとんどだったようだが、公金すなわち市民の税金が注がれるイベントである以上、その品格は問われてしかるべきといえる。






















御紙では取り上げられていないと記憶しますが、2025年4月1日の毎日新聞朝刊に「下関市の包括外部監査、海峡花火補助金見直しを。指摘9件、意見3件」との記事が掲載されています。内容は現物を確認していただきたいですが、要は昨年の花火大会の補助金実績報告で、ずさんな決算書が提出され、高額かつ内訳が不明なものが散見された。更に花火大会の実行委員会事務局がある一般財団法人「下関21世紀協会」に財産が潤沢であることも確認したとし、補助金交付の必要性を見直すべだとした。また前田市長のコメントも付記されています。本記事との関連があるかどうかは不明ですが、市役所側と下関21世紀協会の対応に不備不適な点があることは間違いないと思います。
昨今の花火大会は何処も異常。
そもそもDJや音楽等必要無いしむしろ邪魔でしかない。音楽なら琴や箏曲にすべきで、ノリと勢いだけの喧しい音楽は要らないしショーも必要無い。
だから汚い墨入れてる物は入場禁止にすればいいんだよ。
元々、花火大会は県内、市内のスポンサーからお金を集めて庶民の娯楽で楽しむもの
船舶振興会、市が補助をしてその範囲の財源ですればよいのでは?
子どもも楽しみにしているので過激な格好の人がたくさん来るのは教育上よくない
儲け主義のショー化させるのはやめるべき
いつから21世紀協会は半グレの溜まり場になったのでしょうか。自浄作用も働かないのが情けない限り
下関市民です。来年100歳になる母は毎年海峡花火大会を楽しみにしています。しかし他県の花火大会とは違い、老人優先席などもありません。
高額な有料席は抽選でなかなか取れず、一般有料席だと帰りの混雑でお年寄りは危険です。21世紀教会ではそのような考えをお持ちの方がおられないのでしょうか?非常に残念です。