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「巨悪対市民 今治発!加計学園補助金詐欺事件の真相」が発売 モリカケ共同追及プロジェクト 

 森友・加計学園問題を追及する市民団体「モリカケ共同追及プロジェクト」が、加計学園問題の記録をまとめた冊子「巨悪対市民 今治発!加計学園補助金詐欺事件の真相」(黒川敦彦・編著)を500冊発行し、うち100冊が下関に持ち込まれていることが話題になっている。そこで、本紙も入手した。

 

官邸が隠す実像を暴露

500冊を限定販売

 

 本書は、安倍首相が「腹心の友」とする加計孝太郎(本名/晃太郎)が理事長を務める学校法人・加計学園(岡山市)が、愛媛県今治市で進めてきた獣医学部新設をめぐる不透明な経緯とその問題点を、数数の内部資料や建築図面とともに克明に記録している。


 今治市に住み、この問題を市民運動によって追及してきた著者の黒川敦彦氏は、昨年11月、加計学園が「最先端のライフサイエンス研究」を掲げて今治市に獣医大学をつくる計画を知り「愕然とした」と記している。同氏は、2000年頃から母校の大阪大学と大阪府によるライフサイエンス(生命科学)研究による産学官連携の産業振興プロジェクトに参画している。「多額の資金を使った結果、全く産業振興にはつながらなかった」「世界のライフサイエンス事業は日本の何百倍も進んでいて東大など国内トップの大学さえも全く太刀打ちできなかった」との経験から、まったく素人の加計学園への132億7500万円もの血税投入だけが先行する獣医大学誘致計画に強い疑問をもち、市民運動をはじめた。

 

 今治市や加計学園から情報収集を進めるなかで、決定打となったのが内部告発によって寄せられた今治獣医学部校舎(7階建て)の建築図面だった。

 建設費は192億円(施設費148億1587万円)で、建築単価は坪あたり約150万円。通常の鉄骨造の建物と比べても倍近い単価だ。加計学園は、今治市に37億円の土地を無償譲渡させただけでなく、建設費の半分にあたる96億円を請求し、今治市は3月31日、要求どおりの補助金交付を即決した。驚くべきことに、「今治市はこの時点で設計図も見積もりも確認していなかった」(現在も未公表)という。

 

 さらに調べていくと、内閣府に提出した資料と、今治市国家戦略特区特別委員会に提出した資料とでは、建物の延床面積が10%以上小さくなっているにもかかわらず、建築予算は192億円のままであるなど不自然な点が多数判明した。

 

 本書では、設計図面を分析した建築専門家や国立研究所OBなど研究者の指摘を紙幅をさいて具体的に列挙している。専門家たちは、他大学と比較しても坪単価70万円程度の安価な仕様であることや、病原体の飛散を防ぐうえで不可欠な実験室の隔離や「陰圧構造」も見られず、消毒や洗浄設備が不明であるなど、「この施設を使えばバイオハザード(病原体による環境汚染や人体への感染)が100%起きる」と断言している。

 

 「先端ライフサイエンス研究」やBSE、口蹄疫、鳥インフル等の家畜伝染病菌を扱う研究施設は厳重管理が求められ、WHO(国際保健機関)の指針に沿って国が定める「BSL(生命危険度)3」の基準をクリアする必要がある。同様の施設を運用している大学は、国内では東大や北海道大、大阪大など10大学だけで、どれもバイオ研究における最高水準の実績を持つ。BSL施設を手がけたこともない素人の設計・施工者で扱える代物ではなく、加計学園レベルの私立大学が制御できるものでもない。図面を見た各分野の専門家は「高いレベルのウイルス研究はとても不可能」「バラックに原子炉…と同じ」と疑問を投げかけている。

 

 極めつけは最上階(7階)で、メインの「大会議室」は、ワインセラーやビールディスペンサーを備えたパントリー(食品貯蔵室)を併設するパーティールーム仕様となっている。瀬戸内海の絶景を見渡しての盛大な宴会を想定した豪華なVIPルームであり、危険な病原体を扱うBSL施設どころか、教育機関としてもありえない施設設計であることを明らかにしている。本書は、同大学の心臓部にあたる獣医学棟の設計図面のすべてを解説つきで掲載しており、本自体が事実を検証する貴重な資料となる。

 

浮き彫りになる官邸の関与 必死で真相隠す根拠

 

 このような大学が、なぜなんのチェックもなく誘致されるに至ったのか。本書は、その裏側の経緯や、政治家の腐敗ぶり、企業の政治との癒着関係を「人物辞典」をつけて展開している。

 

 同施設の設計者であるSID総研は、加計学園の子会社で、加計理事長の妻(取締役)を筆頭に、役員は加計一族が固めている。施行者のアイザワ建設は、岡山1区選出の逢沢一郎衆議院議員(自民党)の従兄が経営。同じく大本組は、加計学園創設者の時代からの付き合いで、加計理事長の長男(副理事長)の自宅(岡山市)は登記簿上、同社の所有地であるなど昵懇関係にあるという。水増し請求をするに十分な条件が揃っていることがわかる。どの会社も四国に地縁はなく、専門性が求められるBSL施設を手がけた実績などない。

 

 さらに、菅良二・今治市長が昨年10月ごろから「安倍首相が全部やってくれているから、地元が口を挟む余地はない」と支持者や議員に吹聴し、調査申請の4日前に無許可ではじまった加計学園のボーリング調査を黙認していたこと、「菅良二市長が今治市議らに1000万円ほどの賄賂を手渡している」との告発を受け、市民参加の議会報告会の場で確認したところ多くの議員がそれを認めた事実などから、「加計学園が市長に約三億円の現金贈賄をおこない、市長がその資金で市議らを買収した」と松山地検に告発した経緯を記録している。


 また、重要人物として、国会で加計誘致の正当性を説いた加戸前愛媛知事、加計学園とのパイプ役となった本宮県議、「市議に1000万円の賄賂を渡していた」と告発された寺井市議らは、みな「森友」同様、日本会議つながりであることも暴露している。

 

 さらに、加計孝太郎が理事長を兼務する学校法人・英数学館(岡山市)は、「自民党岡山県自治振興支部」の事務所になっていることや、加計学園本部では「相談役・危機管理室参与」として、元岡山東署長で岡山県暴力追放運動センター専務理事をやっていた警察OBが広報官に就き、記者や市民を「私の言葉が理事長の言葉だ」などと恫喝し、対面取材を拒否している横暴な実態を赤裸裸に明かしている。

 

 全国的な話題を集めるなかで、加計獣医学部の建設地・今治市においても市民の関心が日日高まっており、黒川氏のもとには関係者による情報提供や内部告発が定期的に続いているという。世論の高まりによって、10月5日の文科省の設置審による認可は保留となり、愛媛県知事も事態の雲行き悪化を察して、県議会で「県の補助金は白紙」とのべるに至った。

 

 黒川氏は、「実経費の2倍の見積もりで申請し、手持ち資金なしで校舎が建てられる」という加計学園の補助金水増し計画が崩れ、獣医学部新設が頓挫すれば、「加計学園は倒産を免れないほど経営的に追い込まれる」ため、それを恐れる安倍首相が必死に問題の幕引きを図り、認可強行を急いでいると指摘する。だが、設計図面すら公開せず補助金だけ取るという異常さに加え、「記録もない、記憶もない、公開できない」で隠し続ける以上、認可妥当な条件は整わないというジレンマがある。

 

 加計問題は、補助金詐欺で逮捕された森友学園問題の1000倍にも及ぶ水増し疑惑であり、今治市民や国民に膨大な負担を押しつけ、首相の仲間内で血税を分け合うデタラメな共謀に終止符を打つため、実態を広く世間に知らしめ、国民一人一人が力を出し合って真相解明までたたかうことを呼びかけている。

 

 本書は、黒川あつひこ選挙事務所(下関市中之町7―7)で限定100冊で販売している。

 

  詳細が知りたい人にとっては必見の一冊といえる。(B5判103頁・1200円)
 
 

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