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日米FTA巡る重大局面 国会で鈴木宣弘教授や内田聖子氏らが参考人として問題を指摘

 安倍政府はトランプが要求する1月1日の発効をめざして日米貿易協定承認案の国会審議を猛スピードでおこなっている。審議らしい審議もなく19日には衆院本会議で可決し、参議院に送られた。参議院外交委員会では28日、参考人質疑がおこなわれ、鈴木宣弘(東京大学大学院農学生命科学研究科教授)、内田聖子(NPO法人アジア太平洋資料センター〈PARC〉共同代表)の両氏が日米貿易協定が日本国民にとってどのような問題点をはらんだものかについて鋭くつっこんだ指摘をおこなった。その要旨を紹介する。こういう重大局面を迎えているにもかかわらず、メディアは「桜を見る会」ばかり騒いで何も報道しない。そして、野党4党は「桜を見る会」を理由に29日からの衆参両院での審議拒否を決め、与党は野党欠席のもとで日米貿易協定承認案を強行採決する構えを見せている。一連の茶番劇のもとで、日本社会にとっての重大案件が国会承認される事態を迎えている。

 

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◇ 鈴木宣弘 (東京大学大学院教授)

 

 本協定をめぐる議論には私が思うに事実と異なる点があると思うので、そのような点から所見をのべたい。

 

 まず一つ大きな点は、アメリカが自動車関税及び部品の関税撤廃を約束したという点だ。日本政府はそのように話し署名した。しかしその後に開示されたアメリカ側の合意内容、英文だけが出ているが、それには今後交渉を続けるとしか書いていない。この英文が関税撤廃を約束したと読めるというのであれば、まったく理解に苦しむ。アメリカ側も自動車の関税撤廃は約束していないと交渉トップがコメントしているし、影響試算についても日本が自動車の関税撤廃を見込んで試算しているのは理解できないとアメリカ側は指摘している。

 

 では、なぜない約束をあることにしなくてはいけないのか。それは約束があることにしないと、アメリカの貿易額の92%を含む協定であるといっているのが、自動車の部分が4割ぐらい抜ければ5割少しに落ち込んでしまう。これは過去に例のない前代未聞の国際法違反協定となる。この点だけでも国会批准はむつかしくなる。

 

 われわれは差別的なつまみ食い協定の横行が第二次世界大戦までいってしまったという反省から戦後ガットのルールで二国間の自由貿易協定をやるときは、90%以上を含まなければいけないというルールをみんなで一生懸命守ってきた。その結果200ぐらいある自由貿易協定のなかで85%のカバー率を下回る協定はほとんどない状態になっている。そういうなかで日米二国の大きな経済圏が50数%の協定を発効するとなったら、世界の貿易秩序に対する大きな挑戦だ。前代未聞の犯罪行為ともいえる、戦後の世界の努力を無に帰すような事態が生じるわけで、その点をどう考えるのか非常に大きな問題だ。

 

 それから個別の品目でいうと、アメリカからの日本の牛肉輸入についてはTPP合意にとどめられたという議論があるが、日本は牛肉についての低関税での輸入枠、セーフガードというのをアメリカの分も含めてTPP11で、11カ国に差し出した。61万㌧。そのなかにアメリカの分が入っていた。それにアメリカと二国でまた24万㌧を加えてしまったわけだ。だからこれはすでにTPPごえだ。しかもアメリカの24万㌧については、それをこえてアメリカが日本に牛肉を持ってきたら、10日間以内に協議を開始してアメリカの枠を増やしていくということをサイドレターで決めていることが後で明らかになった。これは結果的にはアメリカの枠をどんどん増やして、関税9%でアメリカはいくらでも日本に持ってこれることをやっていくということであって、セーフガードのガードにはまったくならないという、大変な事態を招くことになる。

 

 それから日本からのアメリカへの牛肉輸出は、アメリカが何十万㌧なのに日本からはわずか200㌧しか低関税枠がない。それが最大6万㌧というが、それはほかの国の枠も含めてのことで200㌧少しこえても低関税でいいよというぐらいの約束にしか見えない。ところがTPP全体のときにはアメリカはその200㌧の枠も拡大し、いずれはなくして15年後には関税も撤廃すると日本に約束していた。それを完全に反故にされて200㌧が少し増えるだけになったことが日本の成果だというのは私には理解できない。

 

 それからコメや乳製品は勝ちとったというが、コメはカリフォルニアの主産物で、トランプ大統領にとってはどう頑張っても負けるカリフォルニアはむしろいじめた方がいいぐらいの形で対応したといわれている。では乳製品の枠はどうかというと、乳製品やその他33品目、TPPワイド枠といってアメリカの分も含めてTPP11の国にすでに譲ってしまっている。TPP水準がそこで日本にとっては実現されてしまっているわけで、アメリカの分がそこに加わればすぐにTPPごえになる。それが回避されたからといって、それはアメリカから見ればTPPマイナスという評価もありうるとは思うが、日本から見ればすでにアメリカの分も含めてTPP11で実現してしまっているので、その点をよく考えないといけないのではないかと思う。

 

 それから奇妙なことに、今回の協定の日本側の約束内容のなかにアメリカが将来にわたって特恵的な待遇を強く要求すると書かれている。これはアメリカの単なる希望的観測ではなく、日本側の合意内容に書かれているということは大変重要な意味を持つと考える。そもそもアメリカが一度日本から得た合意内容をもういらないというわけがない。すでにコメの団体も酪農の団体も何とかしろといっている。だから、こういうことがこれからすぐに起こる。

 

 そして自動車のために農業を差し出したわけではないといっているが、交渉官がすでに記者会見で、これから自動車の交渉をするにあたっては、まだ日本の農産物は大分余裕があるので、それをカードに使うといっている。このことは非常に正直だったなと思う。

 

 それから25%の自動車関税は発動されないというが、本当に約束されたのか。どこにも書いていない。むしろ協定本文には安全保障上の理由で本協定の規定にかかわらずやれるのだと書いている。この意味は大きいと思う。逆にいえばこのような安全保障上の規定が入っているのであれば、日本の方こそ安全保障上の理由で食料の関税障壁はもっと高めるというくらいいい返せばいいではないか。そういうことが問題だ。

 

 要はEUは25%の自動車関税で脅されても、それは犯罪行為だから許さないといって対抗した。日本はその犯罪行為に対して、いやいやそれは困るからいろいろ出すからうちだけは許してくれという話になったので、どんどんいろいろなものを出されて、中国との関係で余ったトウモロコシまで600億円分尻ぬぐいしなさいといわれてそれまで約束してしまった。どんどん犯罪者にお金を払って許しを請うような形の交渉をやって、そのあげくが日米二国でさらなる前代未聞の犯罪行為、WTO違反協定を今本当にこのままやるのかということになっている。

 

 ウィンウィンだというが、どこがウィンウィンなのか。農産物だけとってみても、日本側の農産物の関税撤廃率は72%になっている。アメリカ側は明治大学の作山先生が書かれているが、アメリカ側の農産物の関税撤廃率はなんと1%だ。トランプ大統領にとっては、自動車も勝ちとった、日本には撤廃しないということを貫いた、農産物もほしいものはもらった。まさにトランプ大統領の選挙対策としてウィンウィンだ。それに日本が一生懸命協力しているというのが 今の状況ではないだろうか。

 

 試算についてだが、われわれが政府と同じモデルで再計算した。自動車の関税撤廃がおこなわれなかった場合には日本のGDPの増加率はほぼゼロだ。そして日本の自動車の生産額は800億円くらい減る。そして農産物は最大9500億円ほどのマイナスが出る。数字は正直だ。自動車も農産物もすべて失っている。だからこのような完敗の、完全に日本側が負けているということが明らかな協定を、前代未聞の国際法違反まで犯して批准するという深刻さ。誰のために何のためにこれをやらなければならないのか。そのことをよく考えていただきたい。

 

 そしてこういうことをやっていると日本の農業は大変なことになる。すでに地域農業は生産構造脆弱化で、もう5年、10年で集落がなくなるところがどんどん増えている。それにこのようなたたみかける自由化をやればなにが起こるか。ここに一つの試算があるが、2035年ぐらいに牛肉や豚肉では自給率が1割台になるかもしれない。こういう状況が目の前に来ている。だからこのように農産物の自由化を進めることは、農家の問題ではあるが、消費者はメリットだ、「安い、安い」といっていると大変なことになる。アメリカの牛肉にエストロゲンは600倍も入っており、成長促進剤のラクトパミンも含め、すべて乳がん、前立腺がんとの関係が強いといわれている。それからBSEにかかっている牛はアメリカでは十分検査がされていないが、日本は5月17日にアメリカ産牛肉を全面解禁した。これが日米協定の最初の成果でもある。遺伝子組み換え食品についてはアメリカからの要請を受けて「遺伝子組み換えではない」という表示を2023年に実質禁止することが決まった。ゲノム編集については10月1日からアメリカの要請を受けて完全に野放しにしている。

 

 アメリカのトウモロコシ、大豆、小麦に直接かけられている除草剤は、アメリカがもっと振りかけなければいけないといい、日本人の安全基準値をもっと緩めろというのでこれも緩めてしまった。日本では禁止しているイマザリルとかOPPの収穫後農薬も、アメリカから運んでくるときにかけなければならない。これまで食品添加物だということでむりやりそれを認めてきたが、アメリカはその表示義務はアメリカに対する不当な差別だからこれをやめろとTPP交渉のときからいっており、今の日米協定のなかでこの表示を廃止する議論がおこなわれている。

 

 これだけ見てもリスク満載だ。これを食べ続けることでわれわれは「安い」といっていると、病気になって早く死ぬ。どこが「安い」のか。牛丼、豚丼、チーズが安いといっているうちにどんどん病気が増えて、「いけない」となって、国産の安全な食物を支えなければいけないとなったときに、自給率が1割になっていたらもう手遅れだ。その瀬戸際まできているということを私たちは考えなければいけないのではないか。

 

 国民の命を守り国土を守るには、どんなときにも安全安心な食料を安定的に国民に供給すること、それを支える農林水産業の持続が不可欠だ。農は国の本なり。そのためには自給率をしっかりと維持していく。これが世界の常識だ。それがどんどん下がって37%まで下がっても、まだ下がってもかまわないと、自給率が死語になろうとしているのが我が国の現状だ。

 

 アメリカから何兆円も武器を買うだけが安全保障ではない。食を握られることは国民の命を握られ、国の独立を失うことだと肝に銘じて、まさに真の安全保障の一角を担う農林水産業を支える政策を再構築する。このようなとめどない自由化が本当にいいのかということを考えなければいけない。食料がなくなってから、かわりにオスプレイをかじることはできない。

 

 もう一ついいたいのは、今までの経緯を見ていると、先生方が、あるいは霞ヶ関のみなさんが国会などで発言されたことが現実には後になって違ってくる。そのときに誰も責任をとらなくてもいいというシステムそのものに問題があるのではないかと思っている。「TPPには参加しない」といって参加して、「重要5品目は守る」といって守らなくて、「日米FTAを避けるためにTPP11」だといって今度は日米FTAになった。今回もいろんなことがそうではないといわれているが、本当になったときにはどうやって責任をとるのか。このことについてきちんと責任をとるシステムをつくらないと、その場しのぎの虚偽で次次と悪い段階に物事が進んでいくことを止めることができない。今回のような協定をこのまま承認すれば、アメリカは議会承認が必要ない。日本だけが承認をやって世界から非難されれば、その責任をとるのは国会議員の方方だ。

 

◇ 内田聖子 (アジア太平洋資料センター共同代表)

 

 日米貿易協定で一点強調したいのは、TPPからアメリカが脱退したときに日本政府は「米国抜きのTPPは意味がない」といっていた。TPP11の審議の際には「日本は米国をTPPに復帰させる努力をする」といっていた。そして「日米FTAには応じない」という方針を立てていた。これは日本政府のルールベースの包括的なFTAを目指していくという主張にそったものであり、私はこれに賛同するわけではないが、少なくとも当時の政府の主張に論理の一貫性はあった。ところが日米FTAを求めてきてそこに応じてしまった。日本にとって非常に大きな方針の転換になった。このことが国会審議でも深められていないのではないかと思っている。

 

 つまり日本が「ルールに基づく自由貿易」や「TPPにアメリカに復帰してもらう」などの筋を通すという大義を下ろしたということになる。日米同盟に縛られた関係のなかで日米貿易の交渉が始まっていった。これはそもそも日本が望んでいなかった協定だし、理にもかなっていない。スタートの時点から矛盾の上に立つ協定だと思っている。その矛盾の上に立って交渉した結果、日本の利益はこうだということを後付けのような形で説明されるため、どうしても無理がある。協定の評価そのものもバラバラだと思っている。

 

 この間、国会審議をインターネット等で見てきたが、事実関係が明らかになっていない。資料や根拠も共有されていない。そしてそちらに時間がとられ過ぎている。今一番考えるべきは、大きな転換をしてしまったのなら、今後日本は激動の時代で、どのような通商政策をとっていくのか、中国との関係も含めてどういう多国間の枠組みをつくるのか、という非常に長期的で本質的な議論だ。それがなされていないのではないかということに懸念を持っている。

 

 日米貿易協定は最初、TAGといって始まったが、今では誰も使っていない。途中から「物品だけではなくサービスや投資をやる」と漠然とした形で明示された。これは段階方式というが、まず物品をやり、次にその他をやるというのは貿易協定では非常に珍しい異例のやり方だ。どの国にとっても、どの範囲を交渉するのかは非常に重要な基本中の基本だ。例えばWTOでも何を交渉するのかで延延と議論して決まらないという状況があるし、TPPや日本とEUの協定でも、必ず予備交渉をしてなにを交渉範囲にするか定義して交渉に入る。

 

 ところが物品を批准した後にやるといわれている二段階目の交渉分野はサービスが入るのか、投資や知財が入るのか、さっぱり分からない。非常に不明瞭な状況になっている。これは日本にとって非常に不利な立ち位置にならざるを得ない。二段階の交渉というのは、先にたくさんカードを切ってしまった側が不利になるし、あるいは力関係のなかでねじ込まれ、応じていかざるをえないということがある。日米貿易協定は非常に異例であるし、片務的であり非対称ということがいえる。

 

 「アメリカの交渉目的」という昨年12月に出た文書をこのたび資料で提示したが、もともとアメリカは包括的なFTAを目指している。トランプ大統領の選挙対策でまずは物品に手をつけているが、そもそもの交渉目的を読むと、TPPをベースにして、さらに「為替操作禁止条項を入れて欲しい」とか、「非市場国排除条項(これは中国をさしている)」などが入っている。TPPをよりアップグレードするものをこの協定で最終的には求めている。

 

 アメリカが包括的なFTAを目指すのは90年代以降ずっとそうだが、物品だけでは足りず、ルールの部分、非関税部分を求めることによって利益が最大化するからだ。それでアメリカは昨年の交渉前からどの分野をやりたい、どういうふうにやりたいということを明示してきたわけだ。ところが日本はどうかというと、そもそも望んだ協定ではないので、交渉に入る前になにが目的か、なにを獲得するのかということが明文化されていない。

 

 今回の日米貿易交渉の問題で大きな所は、通商拡大法に基づく高関税措置をアメリカにとらせないことがマックスの目的になったという設定だ。ここでもアメリカとまったく立場が違っている。だから国会ではTPPにアメリカを復帰させるという大義はどこにいったのか、あるいは日本が求めるべき目的は高関税措置を回避するということで良かったのか、ということを基本中の基本として検証いただきたいと強く思っている。

 

 それからこの交渉はアメリカペースで進み、1月1日に発効を目指すと新聞で書かれているが、この理由がよくわからない。日本でこの協定が1月1日に発効しなければいけない合理的な根拠はない。トランプ大統領の選挙のためではないかと思うが、そのおかげで非常に拙速な審議が国会でもおこなわれている。

 

 TPPや日EUの頃は、少なくとも合意があってその後影響試算等も出て、議員の皆さんが協定文を一定程度吟味する時間があって、国会審議という流れだった。国民への説明も不十分だが一定程度なされてきた。

 

 ところが今回は圧倒的に日数も足りず、農業の政策大綱も衆議院の可決が終わった後に出されてしまう。これでは議会の権限や透明性、説明責任、そしてなによりも打撃を受ける農家の方方に対して非常に不誠実ではないかと思っている。国会軽視ということを改めて指摘したい。

 

 そして協定の中身の問題で気になるのは、自動車の関税引き下げを本当にアメリカが約束したのかということだ。これはWTOの抵触問題だ。国会でも指摘がなされている。WTO違反の問題は九月の合意前後から、アメリカの側でも貿易の専門家や研究者、シンクタンク等ではずっと指摘されている。日米だけでなくEUやその他の国の専門家も同じような指摘をしている。

 

 もう一つは高関税措置が本当に回避できたのかということに関しても、非常に解釈の余地を残すような文言が共同声明にあり理解もさまざまだ。日本でも政府の見解と違う見解があるし、アメリカでもある。だが概ね「必ずしもトランプ大統領は高関税を課さないと約束したわけではない」という理解で共通していると思っている。

 

 アメリカの議会や業界団体の受け止めがどうなっているかを紹介したい。同じ事実、確定した事実をもとにそれぞれの国で議論することはやればいいが、どうも事実のところがぼやけてはっきりしない。あるいは日米政府の説明がどうやら食い違っているようだということなので、アメリカではどういう受け止めがあり、どういう議論がされているのかということはわれわれがしっかり知る必要があるという意味で紹介する。

 

 先週の20日にアメリカの下院歳入委員会の貿易小委員会で公聴会があった。4人の専門家が証言をしたわけだが、その場でもアメリカが自動車や部品の関税撤廃をしていないという証言があった。例えば全米自動車労組の方が明言されている。CSIS(戦略国際問題研究所)の方も「ワシントンはTPPのもとで段階的に削減されるはずだった日本製の自動車への2・5%の関税及び自動車部品の関税を削減することに同意しませんでした」といっている。これは日本政府の説明と真っ向から矛盾している。一体、事実がどこにあるのか、ということを深く検証しなければならないと思っている。アメリカ政府もこの件に関してははっきりした態度を示していない。だから非常に奇妙な構図が生まれていて、日本と米国のそれぞれの専門家や議員、業界団体の方はWTOに違反しているのではないかといって、いろいろな対策も考えている。ところが両国の政府がはっきりとした共通の理解として示していない。

 

 もしWTO違反であれば、どうしないといけないかというと、そういう協定は結ばない、あるいは中間協定として位置づけるという方法がある。アメリカの側では後付けで中間協定にしてWTO違反を回避する(これは二段階目の交渉を期限も内容も明確化しなければならない)という議論もある。二段階目の交渉については「コメや乳製品をもっと交渉しなければいけない」「自動車の方は関税削減などとんでもない。むしろ日本の非関税障壁を撤廃させて、アメリカの車をもっと日本に売るようにしなさい」などの意見もある。

 

 熟議が足りていないということを改めて指摘しておきたい。

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この記事へのコメント

  1. れいわのポスボラに出かけるとき、前日届いた「長周新聞」を持って出て、電車の中でじっくり読むのが最近の習慣です。鈴木宣弘先生のご指摘に暗澹たる気持ちになりました。日本は食の面でも壊れいくのか・・・と思います。やがて牛肉や豚肉はわずか自給率1割になるなんて。当然だ、日本はアメリカの属国だし、首相は売国奴だし・・・。先日は英語教育も企業の利益に奉仕するものになると・・・。
     日米FTAのことは、共産党関係者のツイッターを読んでも、まったく触れられていません。テーブルの下で手を握っているという話が現実味を帯びてきますね。

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